ウルリヒトゥレタス

皐月川納涼床

生存報告: 2022-12

 2022年もおしまいです。楽しい思い出がいっぱいの素敵な年でしたね。幸福があるのもここまでです。

 

 

 

<学校>

 今年もまた、委員会の局旅行がありました。今回の行き先は伊東です。

 悲しいことに、去年とは違い3泊2日になったことをすっかり忘れていたため、シフトを入れてしまっていました。ですから、退勤後に直接伊東を目指します。

 職場の場所も悪く、退勤後の時刻では安いルートが使えそうにありませんでした。割と危うい橋を渡りながら伊東へ到着した時は、もう23時を回っていました。私が乗ったのは終電だったようです。

 伊東には2回来たことがありましたが、グループにあった名前の宿は未知領域にあるようでした。真っ暗で人気のない伊東の町を歩いていると、もう日付が変わりそうなことに気づきました。そして、もう目の前まで迫った明日は私の誕生日です。

 深夜の路上でひとり歳を取りたくなくて、私の誕生日を覚えている数少ない知り合いのひとりへ電話しました。以前、通話しながらこの者の誕生日を迎えて祝ったことがありましたから、私のことも祝ってくれると思ったのです。今はハワイにいるはずでした。

 ところが、電話には誰も出ず、そのまま私は22歳になりました。数分して電話は繋がり、電話して祝うつもりではいたもののうっかり寝てしまったとのことでした。その瞬間はひとりだとしても、私のことを覚えて祝おうとしてくれた人がいるというのはたまらなく嬉しいものです。

 ようやく宿に辿り着いたところで、部屋番号を知らないことを思い出しました。電話で聞いてみると、どうやら宿をすっかり間違えていたことが判明します。伊東は温泉で有名ですから、「今回の宿泊先にはないけど、温泉に行くならここがあるみたいだね」という会話を勘違いしてしまったようです。

 再び夜道を歩き始めました。途中、川を見つけてそれに沿って歩きました。両岸には旅館が立ち並び、暖かな灯りが漏れ出しています。温泉地の宿となるとやはり風情があっていいですね。また、小さな噴水のようなものもあり、触れてみるとそれは温泉でした。

 今回の宿泊先は、去年と同じく家まるごとを借りる方式の宿でした。他のみんなは明るいうちからこの旅行に参加していて、城や海に行った末のことでしたが、私はやっとそこに合流できたのです。もう夕食も済ませていたとのことで、私は余った分を貰いました。

 翌朝、我々はバナナワニ園へ向かいました。ここでは様々な種類のワニや植物を観察できます。もうかなり昔からある感じの施設でしたから、思っていたよりコンテンツ量が多いことには驚きました。建物だって、いくつかあるのをバスが巡回しています。

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 このワニの写真は特にお気に入りです。上のワニのいかにも爬虫類といった狡猾そうな目なのに対し、下のワニの目は愁いを帯びていてかわいいですね。ひとつの建物がすべてワニに占拠されていました。

 次に行ったのは植物園で、いくつもある温室を見て回ります。年末なのに南国のような気分でちぐはぐです。食虫植物のエリアもあり、男どもは興奮していました。私もそのひとりです。オジギソウは疲れているのかあまり萎みませんでした。フトモモという植物が印象的でした。

 3つめに行ったのは、植物も動物もいる館です。なぜかレッサーパンダやフラミンゴ、南国っぽい鳥がいて、急に毛色が変わっていました。純粋なかわいい系統もバナナワニ園にはいるんですね。植物もたくさんあったのですが、時間が足りずすべてを見て回ることができなかったのは少し心残りです。とはいえ、名前だけは知っていたバナナワニ園にやっと行ったのでした。

 その後、足湯(寒いためか肌が白すぎて不健康そうと言われました。とても心地よかったのですが)に浸かったり懐かしきアンダの森バスを目にしたりしつつ、大室山というところに行きました。山の麓からロープウェイが出ています。

 頂上付近はカルデラのように中央が大きく窪んでいて、それを取り囲む頂点の部分を一周するのが定番なようです。記念写真くらいは撮れましたが、ここもバスの時間が迫っていたので回る余裕はありませんでした。とても綺麗な空の下、遠くの海までもが見えました。

 さて、この日の夕食はカレーです。毎度ながら、ここにいる女の料理スキルには素晴らしいものがあります。手伝おうにも彼我の能力差は歴然としていて、その他の作業で支援するしかありません。来年には手料理をみんなにふるまえるようになっていたいものです。

 ご飯も終わって、みんなでUNOを始めました。こういう時の順番決めの方法はいろいろありますが、ひとりが「誕生日がいちばん近い人で」と言いました。おっと、たまたま誕生日=今日な私ですね。本当にうっかりだったのでしょうが、一瞬場が静まり返りました。

 そうです、この旅行の楽しみといえば、私の誕生日です。こんなに大勢から毎年祝ってもらえるとは、なんて幸福なのでしょう。やはりサプライズにしたいようで、密かに買ったケーキを準備する間、そこへ近づかせないために私を釘付けにしてくるのを悟るのがたまらなく幸せです。今年も、水を汲もうと立ち上がりかけたら即座に水が注がれたり、酒を押し付けられたりと楽しかったです。とりあえず酒を渡しておけばいいと思っていませんか?

 夜、女はすぐに寝てしまいがちですが、男はなかなか寝ようとしません。ふたつあった男部屋が薄い壁*1だけを隔てているのをいいことに、楽天カードマンを爆音で流す争いが繰り広げられていました。大学でもこういうことができるのは楽しいですね。男子校時代に戻った気分です。

 翌日は三島スカイウォークというところに行きました。とても長い長い橋が、山と山とを繋いでいます。いつかニュースで見たことがあったのを思い出しました。がっしりした構造ではありますが、やはり地表が遥か下というのは怖いです。私は立派に高所恐怖症ですからね。

 なのに、ジップラインに挑戦することにしました。普段パスファインダーが射出しているあれです。橋と平行になる感じに綱が張られており、そこに吊ってある小さな椅子のようなものにしがみついて渡るのです。さすがに現実では上から下にしかいけません。

 途中で撮影してもいいそうですが、谷底に落としそうなのでやめておきました。自撮り棒とか手首に固定できるものとかあったら別でしたが。また、実際に滑り出すとくるんと身体が回転して進行方向と逆ばかり向いてしまうことが判明しました。ぐんぐん遠ざかっていくスタート地点と谷底を見るのが精一杯です。

 他にもいくつかアクティビティはあって、セグウェイで山道を走るのに挑戦した者もありました。思っていたより費用が高かった*2ので遊ぶのはジップラインだけにして、他の者を待ちつつ昼食を食べていました。

 こうして今年の局旅行も終わりました。叶うなら来年こそは年越し旅行をしてみたいものですが、そうするとコミケに行けなくなりますし、他のみんなもそうやって事情があることでしょうからそう簡単にはいきそうもないですね。行けるだけでも感謝すべきでしょう。

 

 

 

<徳島>

 徳島県へ旅行に行きました。ようやく旅行支援を使ったことになります。

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 今回の目的地は、大塚国際美術館というところです。山を掘って造られているところも面白いのですが、この美術館の最大の特徴は世界各国の贋作が集められているところにあります。贋作といっても、ただの贋作ではありません。運営している企業の技術力によって作られた、焼き物なのです。

 陶板に印刷することで作品ができており、真作やそのまま絵として再現された贋作とは違い、自由に触れることもできますし、サイズも原寸大です。ガラスケースやパーテーションもなく、例えば『最後の晩餐』のように大きい作品であろうとそのまま再現されているのです。

 それは絵画だけではなく、礼拝堂や聖堂すらそのまま再現されています。最初に美術館の紹介をシスティーナ礼拝堂で受けたのですが、この時点で遥か上まで続く壁画に圧倒されました。少し前の紅白歌合戦で米津玄師のパフォーマンスに使われていたのがここだったそうです。

 また、収蔵品の幅の広さもかなりのもので、世界中の名画をいつでも観られます。『ひまわり』だって一堂に会していますし、焼失してしまった芦屋のものすら再現されています。コナンの映画にも出ていましたね。

 遥か過去から時代を遡り、最後に現代の作品に到達するのが公式推奨の楽しみ方なのですが、あまりに長すぎて時間が足りませんでした。普段からじっくり時間をかけて回る派なのもありますが、鑑賞ルートは全長約4kmといいますから、さすがにスケールが違いました。道中、いくつも宿泊施設を見ましたから、そういうところに泊まって数日にわけて回るのがよさそうです。まるでルーヴル美術館ですね。

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 また、今回泊まった宿の近くには阿波おどり会館なるものがあり、そこから山の上までロープウェイが伸びていました。着いた時にはもうクローズが近くて十分に見て回ることはできませんでしたが、展望台から見る徳島の夜景はとても綺麗でした。これは眉山というそうです。しかし、もう最終便みたいな感じのロープウェイに乗って帰ったのですが、まだ展望台に残っていた人たちはどうしたのでしょう?

 普段は関東から出ない私にとっては、はじめての経験がたくさんでとても楽しい旅でした。佐賀もそうですが、こういう旅もいいものですね。

 ぜひとも、また行ってみたいものです。

*1:正確には鎧窓のようになっている壁でした

*2:スカイウォークへの入場料とは別で2000円以上したと思います