ウルリヒトゥレタス

皐月川納涼床

生存報告: 2022-11

 ほぼ何も思い出せません。今と同じように生きたはずの1ヶ月がまるで存在しなかったかのようで、とても虚しい気分になりますね。

 

<学校>

 実習のほとんどはこの11月でした。この一部始終は別の記事にまとめていますから、もし興味を抱いて頂けたのなら、ぜひそちらをご覧ください。

 終わってみれば案外楽しかったもので、この学部に入ってよかったですね。こういう時のメンバー運には依然として不安が残ったものの、これはきっとどうしようもないのでしょう。

 さて、大学祭はどちらも先月に終わっていましたが、それは我々3年生の引退を意味しています。本祭直後にお疲れ様式典が簡易的に開催され、もう割とそこで気分的には引退していました。しかし、きちんとした形式的な式典はまだでしたから、それが行われました。

 お待ちかねの余剰協賛品分配ビンゴ大会もありました。これは結局我々対外部が手に入れたものですから、我々だけで責任を持って処理するのが筋だと思います。なぜか余った美術館のペアチケットが企画局の彼女いそうな男の手に渡った時に、この責任感は一層高まりました。対外部は常日頃から稼いだ金を献上しているのですから、来年はぜひとも対外部にも役得が欲しいところです。3桁あるボーリング割引*1券だけは勘弁ですが……。

 この会では、次期幹部の選出が行われます。とはいえ我々の広報局は割と既定路線*2ですから、特にドキドキはありません。他の局は選挙をしていたようですが、あまり関係はないのでしょう。他の局との交流の薄さは、今なお深刻です。

 会が終わると、後輩たちがアルバムと花をプレゼントしてくれました。どこからかき集めたのか、私の写り込んだ写真がいくつも貼られ、おしまいには対外部のみんなからのメッセージまでありました。

 去年、我々もアルバムを作って渡していました。それを今度は自分たちが貰えるというのは、とても感慨深いものがあります。いよいよ、我々も引退するまでに成長したのですから。私など、前日からちゃんと貰えるかそわそわしていました。

 付き合いの長い2年生もなかよくなってきた1年生も、「馴染めていなかった頃に親しみやすく話しかけてくれて助かった」みたいなことを言ってくれたのが特に嬉しかったのです。畏怖よりも親近を抱かれたくてこれまでやってきましたから、それが報われた気分です。

 このアルバムは、人生のトロフィーのひとつとなることでしょう。過ぎ去った思い出を穏やかに懐かしめるような。こうしたトロフィーをいくつも持てるような生き方でいたいものです。

 その式も終われば、やはり打ち上げがあります。今回は鍋の店が予約されており、いざ入ってみると店の一区画を丸ごと貸し切る形になっていました。テーブルがいくつか連なる広間と、4人サイズの半個室が4つほどで構成されています。

 ところが、とりあえず座りなと後輩を席に配置していたところ、気がつくと私の席がありません。広間はもう満員です。半個室でひとり鍋を調整していると、ソロキャンでもしている気分になってきます。

 幸いにも、私ともうひとりが鍋をつついているところに後輩が続々と来てくれました。来たのは男ばかりでしたけどね。中央の方では、ミラージュが恋バナの音頭を取っているようです。一緒に鍋を囲んだクーパーはかなり酔いが回っていたようで、「おまえの縞の数を数えろ」とボーダー柄の服を着た男に絡んでいました。彼のセンスを本当に羨ましいと思います。

 こうして、我々は完全に*3引退しました。まったく、彼らと知り合えてよかったと心から思います。それでも、彼らを愛せば愛すほど、過ごした時間の違いが、自分だけ最初からさいなかった後付けであることが痛いまでに感じられるのでした。

 

 

 

<アルバイト>

 今年もまた、覆面調査の季節がやってきました。ご存じない方のために軽く説明しますと、これは施設の運営が業者に依頼して行う一種の抜き打ち検査です。

 客に擬態した調査員が期間中のどこかで店に潜入し、密かに店や店員を採点します。特徴的なのは、接客の採点に重きが置かれているところです。しかも独特な感性をしていて、鬱陶しいくらいにまで客に構わないとマイナス点を付けてきます。当然、私が好ましいと思う接客とはほぼ対極に位置していますから、私には難しいものです。

 しかし、今年は店の全員が同じことを考えていました。新入社員に当たったらおわりです。彼は接客以前の問題で、店が始まって以来の低評価を叩きつけられると誰もが確信していました。

 かといっていつ来るかもわからない調査員から彼を確実に隠すことは非現実的です。彼自身が成長するか彼に当たらないことを祈るしかなかったのですが、当の彼は依然としてミスを繰り返し、アルマンの胃に負荷を与え続けるのでした。

*1:重要

*2:前年に選出された副局長が実質的な次期局長

*3:長たちは別です。引き継ぎがあるからです