ウルリヒトゥレタス

皐月川納涼床

生存報告: 2023-7

 もう今年も半分が過ぎました。しかし、半年という時間など取るに足らないものです。この通り、ほんの一瞬で崩れ去るのですから。

 

 

 

<学校>

 各授業も終盤、というか期末です。中学校からの付き合いである期末試験とも、もうそろそろお別れなのですね。実に長い間、夏の始まりを告げる風物詩でした。

 

 図書館や博物館がテーマな領域で堂々と女子供問題を考察していた授業は、色々なテーマが展開されました。LGBTも出てきましたし、社会的な性への偏見も出てきました。出生前診断*1とそれによる中絶の是非なんてのもありましたね。

 ところで、障害者を扱った番組のいくつかでは、非常に癖のあるナレーションがされていました。個人的には聞き取りづらいくらいでしたが、ドキュメンタリーってあんなものなんでしょうか。

 さて、個人的にもっとも印象的だったのは戦争による精神へのダメージがテーマの回です。帰還兵問題とも呼ばれています。

 戦争では敵兵を殺さなければなりませんが、ヒトは同族を殺すことに抵抗感があります。そこでアメリカは、敵兵を殺せるようになるための、敵兵を人間と認識しないための訓練を考案しました。これは功を奏したそうです。

 問題はそのあと。戦争が終わって帰国した兵士たちは、すっかり戦場に慣れ切っていますから、急に平和な日常に戻ることができませんでした。我々からすれば取るに足らないような日常的な光景の中でも、彼らは警戒を解けなかったのです。こうした兵士たちは、やがて事件を起こすようになりました。ただのチンピラに襲われたのを待ち伏せに遭ったと思い、殺害する事件も起きたそうです。

 日本の例も紹介されていました。戦場のストレスで精神疾患になる兵士も当然いたのですが、かつての日本は電気ショックでそれを治療しようとしたそうです。当人が弱いからだとされたのですね。

 帰還兵問題というと、私は最初に『フォレスト・ガンプ』が出てきます(『ランボー』も有名ですね)。これらの映画や今回のドキュメンタリーで印象的だったのが、国のために戦争へ行った兵士たちに味方がいなかったことです。

 祖国の国民は戦争反対を叫んで兵士たちが命を賭けている戦いを無意味で不要なものだと糾弾しますし、同じ国民のはずの記者は軍の不祥事を撮ってばら撒きます。最近では、平和で安全な立場から「降伏すべきだ」と主張する人たちがいましたね。

 国は国で、最近の戦争ではすぐに撃ってはいけないと訓練しているそうです。民間人を殺害したとなれば、大問題になるからでしょう。しかし、相手はそんなことお構いなしですから、平然と民間人(時には子供)を使って攻撃してきます。結局、この板挟みになるのは現場の兵士たちです。

 兵士たちのことを考えるのなら、無人兵器や遠距離兵器で戦うのが最善と思います。そうすれば被害は抑えられますし、直接死と触れ合うことはないのですから、精神への負担も少ないでしょう。戦争の在り方としての是非はひとまず置いておくとして。

 ですが、この授業にいた連中(特に女子供問題に関心のある連中だったと思います)には「やっぱり戦争は話し合いで解決すべきだと思います」と感想を述べた者もいて、同じビデオを観た感想のあまりの違いに驚きました。

 話し合いを放棄するのは、とても愚かなことです。完全に理解することなどできないことを前提とした上で、自分以外の人間は①話さずとも(もしくは多少の言葉で)わかりあえる人、②きちんと話せば言葉は通じてわかりあえる人、③どうやってもわかりあえない人の誰かでしょう。この「わかりあえる」とは、互いの思想を受け入れられる場合はもちろん、自分はそうは思わないけどあなたがそう考えた経緯や理由は理解できるという意味です。

 なのに、話し合いを放棄するということは③だけでなく②も切り捨てるということですからね。結論ありきで話し合うフリをするのもよくないことです。聞くつもりもないのに相手に言葉を使わせて、自分だけ一方的に通そうとするのですから、それは相手と相手の言葉への侮辱です。相手を軽んじているからそんなことができるのでしょう。

 しかし、戦争が起こった以上、敵が③であるのはもうわかっているのですから、そこから先は武力がコミュニケーションの手段です。そこで降伏など、愚かなだけですね。私にとっての彼らも③かもしれないなぁと思ったのでした。

 

 

 

<アルバイト>

 また新しいアルバイトが辞めて、すっかり人数が少なくなりました。私もいつの間にやら古参かと思いきや、私以降が続かないので今もなお相対的には新人のままです。相対的新人、なんかいいですね。

 

 いつしかオーバールックにも外国人が増えています。もはや日本人より多いのではないかと思うくらいです。日本語が通じる客や日本人と来る客、買うだけ買ってすぐ帰るので意思疎通の必要がない客もいますが、商品について聞かれれば答えなければなりません。

 個人的には、現地の言語を使おうともせず自身の母語で押し通そうとするのが理解できませんし癪に触ります。私も日本語で返せばいいんですか?

 とはいえ、それはそれ。観光地ってそういうものなのでしょう。中国語ならまだしも、英語なら私でも少しくらいは対応できます。よく聞かれることもわかってきますからね。

 アルマンや他のスタッフは紹介文を複数の言語で印刷し、それを読ませていましたが、それではなんとも味気ありません。最近はパワーポイントを使い、カラフルなチラシじみたものを作っています。

 

 PCでの作業といえば、以前に半自動更新カレンダー機能付きの印刷物を作ったことがありました。あれは関数だけを使って作ったものでしたが、あまりに暇なので今度はシフト表制作システムを作りました。

 ボタンやチェックボックスに指示を組み込みたいので、関数だけでなくVBAも必要です。対外部用に作成したツールの経験が役に立ちました。

 構造は至って単純で、操作用シートに出勤時間や退勤時間、塗りたい色を入力してシフト表の誰の欄の何日にそれを反映させたいかを指定すると、その通りにテンプレートが書き変わるという仕組みです。テンプレートのみを別ファイルへの保存したり印刷したりの操作やリセットもボタンを押すだけで可能です。

 もちろん、対外部の時は使わなかった知識も必要でした。やはり、学習しながらトライアンドエラーを繰り返し、段々と制作物を理想に近づけていくのは楽しいですね。

 

 

 

<NEEDY GIRL OVERDOSE>

 7月7日、超てんちゃんのお誕生日はいしんがありました。この配信内を含め、超てんちゃんのお誕生日に合わせて重大発表がいくつもありましたね。池袋の広告も見に行きました。

 なお、配信中には超てんちゃんのライブもあり、はじめて『INTERNET OVERDOSE』と『INTERNET YAMERO』の振り付けをフルで見た気がします。これを機にさらに流行って、大学祭のステージで拝めるような時代が来て欲しいものです。音楽番組にもいつか出ませんかね。

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 あめちゃんの生誕祭グッズも無事に届いたので飾ってみました。だんだん部屋がニディガに染まっていくのは気分がいいものです。いずれ届くフィギュアの場所も確保しておかなければなりませんね。これからの商品展開も楽しみです。

 

 

 

<ニディガ展>

 さて、その企画のひとつであるニディガ展が月末に渋谷で始まりました。後述のワイズ・ゲルテナ展よりは前です。

 会場はMODIという施設で、渋谷駅からタワーレコードへ向かうように進んでいくと目に入る、植物に覆われた建物です。ちなみに、横の道はPARCOに続いていて、さらにその近くにはかつて私が潜入したナイトクラブがあります。閑話休題

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 会場にはたくさんの人がいて、もう整理券が配布されていました。私が手に入れたのはもう午後のものでした。想定が甘かったことを反省します。こういう場では、起こりうることすべてを想定してから臨むべきでしたね。

 うっかり体調を粉々してしまったのでベンチで身体を休めて時間を潰していましたが、ようやく入場できる時間が来ました。会場内は割と狭く、実質的にはポップアップショップがメインでしょう。壁には二ディガのアートがいくつも飾られていて、見慣れたメインビジュアルや先日のあめちゃん生誕祭キービジュアルもありました。

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 さて、今回の目当てはやっぱりあめちゃんと超てんちゃんの書きおろしアクリルスタンドです。以前の発表時から思っていましたが、やはり今回のコーデはかわいいですね。あめちゃんは肌の白さが際立ちます。

 さすがはピたち、私が入場できた時点でもうほとんどグッズは残っていませんでした。アクリルスタンドももうありません。通販の可能性は残されていそうですが、また来ることにしました。

 以前のニコニコ超会議で展示されていたフォトスポットと等身大超てんちゃんが、再展示されていました。前回は整理券が手に入らず遠くから見ることしかできませんでしたが、今回は超てんちゃんを触れるくらい近くから拝めますし、フォトスポットの中に入って椅子に座ることだってできます。バトルドームが欲しくなってきました。

 

 

 

<凱旋ワイズ・ゲルテナ展>

 『ib』というゲームをご存知でしょうか。美術館に家族でやってきた少女イヴが不思議な世界に迷い込む、昔のホラーゲームです。元はPCのフリーゲームでしたが、最近は移植もされています。

 その世界で、イヴはワイズ・ゲルテナという芸術家の作品たちと出会います。そもそも、美術館に来たのも彼の特別展が目的でした。友好的なもの、敵対的なもの、そのどちらでもないもの、よくわからないものと、ゲームをプレイしているととても印象的な存在です。

 そのゲルテナ展、なんと現実で開催されていました。全国を回ったのですが、凱旋としてまた東京に帰ってきてくれたので、また行ってきました。場所は池袋です。

 

 前回の渋谷会場よりもかなり広く、展示されている作品も以前より増えています。原作を再現した演出付きの作品もいくつか新しいものがありました。

 また、ゲーム内では強烈な存在感を放つ青い肌に赤い目の人形が登場します。その人形たちのいる部屋をVRで体験できる部屋も用意されていました。プレイしたのはかなり前のことですが、あの時の恐怖が蘇ります。

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 ゲルテナ展のポスターにも採用されている、代表作『深海の世』はやはり別格の扱いです。渋谷会場でも部屋の真ん中の床に置かれていました*2が、こちらでは別室を用意され、海中のようなライトで照らされています。

 

 また、物販では前回はなかったゲルテナ展の公式図録が新発売されていました。これと一緒にトレーディングのアクリルスタンドも買いました。いちばん好きな作品である『赤い服の女』が引けて満足です。

 残念ながら売り切れていましたが、土台となる大きなスタンドに小さなスタンドを挿すことで、好きな作品を展示することができます。作品たちのスタンド、イヴたち登場人物のスタンド、さらに入場特典のゲルテナ展ポスターと赤い薔薇の花瓶のスタンドが該当します。

 テーマを活かしていて実にいい商品展開だと思いました。展覧会限定なのが惜しい限りです。

*1:生まれ落ちる前から一部の障害の有無を予測できる診断です

*2:これも原作再現でしょう

生存報告: 2023-6

 去年の今頃、私はホテル暮らしを満喫していました。あの食と住が保障され、責任あることを何も考えなくていい期間は夢のようでした。もうあの宿泊療養制度は消えてしまいましたから、またあの生活を望むならそれこそ刑務所か老人ホームに行くしかなさそうです。

 去年と今年とでは、本当にあらゆるものが変わりました。悪い変化ばかり目につくのはよくない癖ですね。

 

 

 

<学校>

 実習のことが段々わかってきました。こいつは思ったより厄介です。

 前期は事前学習に費やされ、数回の授業が不定期に開講?されます。全員の予定を照らし合わせた結果ですから順当ではあるのですが、5-6限というとても面倒な時間帯です。その日は午前にしか授業がないので、毎回がとても暇でした。

 その授業では、事前に資料を作成しておく必要があります。実習先の施設自体やその施設がある自治体についての情報をまとめておいて、授業時にそれぞれ発表するのです。教員たちはそれに補足したり改善点を指摘したりします。

 つまりは別に対面でやるようなことでもないのですね。実際、都会キャンパスと我々僻地キャンパス*1はオンラインで繋がりながらこの授業を進めています。それをわざわざ対面で集まらないといけないのは非合理的に思えます。

 どうやら、これは総授業回数に占めるオンライン授業の割合が一定以上であってはならないという規則があるためのようです。授業の品質を保つためという見方もできますが、それにしても柔軟性のある仕組みにして欲しいものです。一昨年のこと*2を思い出しますね。

 

 他の授業も進んでいます。上記の実習とゼミを除けば、特に印象的なのが3つありました。

 ひとつは、デジタルアーカイブを扱っています。デジタルアーカイブというのは、様々な資料をデジタル化して保存し、後世でも利用できるようにするものです。

 アーカイブ自体にも物理的なものとデジタルな非物理的なものがあって、双方に利点があります。デジタルアーカイブは、HDDのような記憶媒体の寿命や本物ではないことといった欠点はありますが、逆に本物が滅びようともデータを残し続けることはできますし、貴重な資料であってもデジタルデータならいつでも誰でも利用できます。

 ものを捨てられないという私の性格もあってか、とても意義のある領域に思えました。かなり難しそうですし理系の領域っぽさもありますが、いつか関われたら楽しそうですね。

 2つめは、学部を問わず受けられるタイプの授業です。名前を技術史といいます。

 弊学では、学部ごとの必修以外にどの学部だろうと履修しなくてはならない単位が存在します。これらは4種類に大別されますが、その各ジャンルから最低1単位を履修するのが条件です。

 これまでに他のジャンルはクリアしていたのですが、最後に残っていたのが理系っぽい領域でした。これまでいくつか受けたものの、どれも落単していたのです。

 技術史では、技術にフォーカスした世界史が語られます。難しい理系用語は出てこないかきちんと解説されるので文系でもとっつきやすいですし、技術の因果関係や流れが面白くて退屈しません。その上、リアクションペーパーの提出がない(=出席不問)ので単位としても優良です。

 3つめは、特論と呼称されるシリーズのひとつでした。弊学部は学部内がさらに5つの方向にわかれており、自身が属する領域の授業が学部必修になってきます。各領域内において提供される選択肢の中にいくつかあるのが、この特論です。

 名前は区別用のアルファベット以外同じですが、担当教員も扱う内容もそれぞれ異なります。去年もこの特論を受けていましたが、それは沖縄の歴史についてでした。教員の趣味や専門が色濃く出ていると言えるでしょう。

 ただ、私が属する領域は継承がテーマなのですが、今回履修した特論はあまり継承という感じがしません。どちらかというと、別の領域のテーマである女子供が近いでしょうか。

 授業では、まずみんなで映像を鑑賞します。多くの場合はNHKのドキュメンタリーです。その後、少人数グループになって感想や意見を話し合い、最後にそのまとめをそれぞれ発表します。これが各回の大まかな流れです。

 その鑑賞するドキュメンタリーのテーマが女性差別や貧困家庭なので、あまり領域の授業という感じがしないのでした。そういえばこの教員の授業は一昨年にも受けましたが、その授業も教員ごとに内容が異なるもので、今回と同じようなことをしていた記憶があります。

 とはいえ、これはある意味でとても大学らしい授業です。社会問題について学び、それについて考え、別の誰かと意見交換するというプロセス自体は別に嫌いではありませんから、この授業も嫌とまでは思わないのでした。

 

 サードを覚えていますか?教授のアルバイトで知り合った同僚であり、同じ司書資格取得を目指す仲間でもあります。

 今期が始まる前、彼女にどの授業を取ったか聞いたのですが、休学することがわかりました。何かあったのかと少し心配していましたが、共通の知り合いに聞いてみたところ、特に何かあったのではないそうで安心しました。

 それで、サードのインスタグラムのアカウントを見つけたのでフォロー申請を送りました。ところが数日後、そのアカウントのページを見に行くと、依然フォローは承認されていなかった上に、「知り合い以外は通しません」という文章が追加されていました。

 私はインスタグラムにおいては真名を解放していますから、わからないはずはありません。私だと認識した上で拒絶したのですね。

 

 

 

<アルバイト>

 12月に入った新人が、近いうちに辞めるそうです。私もそろそろ辞めようかと思っていたところに先を越されてしまいましたね。

 本人が教えてくれましたが、原因はやはりアルマンでした。私はちょうどアルマンと入れ替わりくらいに出勤しますからあまり会いませんが、日中のほとんどを一緒に過ごしているのではさぞのびのびしづらい環境なのでしょう。このことはダーウェントにも伝えてあるようで、今後の対応が注目されます。

 実際、アルマンは優秀です。ベテランですし、直接の接客以外にも店舗の多くのことに精通しています。意識や意欲ももちろん高いのですが、それの伝え方が刺々しいので周りにはあまりいい影響がないのでしょう。

 つまり、個体としては優秀で店には大きく貢献していますが、一方で他のスタッフには悪影響を与えているのもまた確かなのです。ただの無能と違って扱いに困りますね。自身がやるべきことの多くをアルマンに丸投げしていたダーウェントにも責任の一端はあると思います。

 

 

 

<エドワード・ゴーリーを巡る旅>

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 あなたはエドワード・ゴーリーをご存知でしょうか。『ギャシュリークラムのちびっ子たち』とか『うろんな客』なら知っているかもしれませんね。彼の展覧会があったので渋谷に行ってきました。

 今回訪れたのは渋谷区立松濤美術館というところです。未だに読めませんが、松濤は「しょうと」と読むそうです。まったく訪れたことのないエリアにあって、普段あるエリアとはまったく違う上品な雰囲気でした。

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 白井晟一という建築家によるものだそうで、美術館自体もとても綺麗です。噴水のある吹き抜けがとても印象的で、そこをぐるりと囲う形で展示室があります。ドーナツみたいな感じですね。

 

 エドワード・ゴーリーは絵本で有名ですが、陰鬱としたストーリーや世界観を表現する緻密なモノクロが印象的です。その実物を見てみると、とても小さいのに細い線がぎっしりと書き込まれていました。

 また、ニューヨークのバレエが好きでポスターを描いたり衣裳のデザインをしていたこと、晩年をケープコッドで過ごしていたことは初めて知りました。これまではケープコッドといえばダッフィーでしたが、ダッフィーとうろんな客のコラボとかしませんかね。うろんな客に怯えるダッフィーが見てみたいです。

 

 その帰り、渋谷駅が工事されていました。改造なのか取り壊しなのかはわかりませんが、こうきて見ると古代遺跡みたいですね。

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*1:この授業には両キャンパスから学生と教員が参加しており、合同で行われます

*2:昔からあった「異なるキャンパスの授業は連続して履修できない」という縛りがオンライン授業にも問答無用で適用されていました

生存報告: 2023-5

 そういえば、これが大学時代最後のゴールデンウィークでした。弊学は平然と国民の祝日に授業をする国賊大学ですし、なぜか土曜日に授業がありがちだったので実感がほとんどありませんでしたが、これからの人生では貴重な連休だったのでしょう。去年の方がずっと楽しかったような気がします。今年はもう何もかもが駄目ですね。

 5/4といえばスター・ウォーズの日であることはおなじみですが、今年もSWっぽいことはあまりしませんでした。年々このコンテンツから離れているのはもう止めようがなさそうです。一応、最近のドラマシリーズも少しずつ追いかけてはいるのですが、だいぶ遅れています。たぶん、原因はコンテンツの多さと民度の低さですね。

 コロナの五類移行を受けてか、大学側もやっと諸々の制限を解き始めました。これで、この夏は数年ぶりの合宿が開催されるでしょう。ほぼ丸ごと潰された大学時代でしたね。

 

 

 

<学校>

 前から予想できていたことではありますが、他の同期と授業の数が違い過ぎてほとんど会いません。委員会も先月述べた通りですし、4年生とは孤独なものですね。

 

 先月も開催された新歓イベントですが、今月はインパがありました。やはりというべきかなぜかというべきか4年生は私以外にいませんでした。こうしてイベントに参加し続けるべきなのか、引き際として参加を控えるべきなのか、わからなくなってきました。私以外が新しい後輩にあまり関心を持っていないのもあるのでしょうけど。

 新歓インパというからにはやはり1年生が主役です。去年も参加しましたが、その時は半分以上のメンバーが当日になってから欠席の連絡を寄越す(さらに私が1時間寝過ごす)というめちゃくちゃなことになりました。今年はそうならずに済んでよかったです。

 1年生たちとパークを回るのは新鮮でいいですね。普段は私がリードされる側になりがちなのですが、こういう時は私がリードする側です。人に頼られるのはなんだかんだ気分がいいものです。うまくやれるかどうかは別として、先輩でいるのは向いているというか居心地がいい。自分が自由にやれる分後輩が負担を引き受けているのだから、手放しで好んでいるべきではないとも思いますが。

 ほとんどの1年生は都会のキャンパスですから私では力になれない部分も多いのですが、できるだけ大学生活の質問にも答えました。我々が消えていく一方で、こうして大学時代が始まったばかりの者たちもいます。至極当たり前のことながら、大きな差を感じもします。我々の代なら尚更ですね。

 

 スネークから誘いが来て、ドライブへ行くことになりました。とはいえ私は免許を取得して以降(正確には免許合宿の卒業試験以降)、一度たりともハンドルを握ったことがありませんでしたから、満場一致で私を運転席に座らせてはならないという結論に達しました。的確な判断です。

 その代わり、運転中のミュージックプレイヤー役を担当していました。ここで今更ながら実感したのですが、私が普段聴く曲は運転中に聴くのに向いていません。あまり知られていない曲、暗く物悲しい曲、古い曲などばかりです。今後のためにも、もっと一般的な曲を履修しようと思ったのでした。

 渋滞に捕まってレンタカーを営業中に返せないことがわかったので、ゆっくり夜ご飯を食べることにしました。会議の結果、とりあえずサイゼリヤを探そうとなりました。

 その時運転席にいたのはスネークで、カーナビで目的地を検索したのに何もヒットせず首を傾げていました。見てみると、サイゼリヤではなくサイゼリアと入力していたからだと判明しました。この数秒だけでも、ドライブについてきた甲斐があったというものです。

 

 

 

<アルバイト>

 新入社員が消えて、アルマンやみんなの心配はひとつ減りました。ずいぶん久しぶりに平和が訪れたような気がします。しかし、新入社員もいいことをしていたことがわかりました。それは、店長ダーウェントの不手際の印象を薄れさせることと、アルマンのヘイトを集めることです。

 私が入店して以来(実際はそれよりもずっと前から)、ダーウェントは様々な面でミスを繰り返していました。それだけなら新入社員とあまり変わりませんが、ダーウェントの場合は謎の信念と店長の権力を持っている分厄介です。

 レジ打ちのミスなどまだかわいい方で、誤打の隠蔽、重要な予定の伝達忘れ、思いつきでの雑な新規業務追加など、結局その皺寄せが来るのは他のアルバイトたちです。新入社員は単純なミスと斬新なミスをひっきりなしに繰り返すため、店長の不手際よりも印象が強かったのですが、その新入社員がいなくなったことでまた店長にスポットライトが当たるようになったのです。

 また、デコイとしてあまりにも存在感が大きすぎた新入社員が消えたことで、アルマンは文句をつける先を失ってしまいました。もちろん店長にも以前通りヘイトを向けるようになりましたが、そのとばっちりで12月からやってきた新人もまた、その犠牲となったのです。

 アルマンはとても居心地の悪くなるような悪意の向け方をします。業務に慣れてきた頃になってそうされては困りますね。かつての私も割とそうでしたが、次々にデコイが来たため相対的に対象から外れました。次のデコイが待たれています。

 

 

<チュウニズム>

 ニディガとチュウニズムのコラボがやってきました。ゲームセンターに向かいます。

 チュウニズム自体は高校の頃に知っていました。放課後に秋葉原へ遊びに行く際の友人がプレイしており、何回かやってみたのです。しかし、音痴な上に反射神経も処理能力もカスなので低めの難易度をやるのが精一杯でした。筐体の上で手をふわふわさせている様子は気味が悪かったです。

 それから数年、今度こそチュウニズムと向き合う時が来たようです。大学の友人に有識者がいたので、この者を連れてイベントに臨みました。

 チュウニズムのイベントでは、楽曲をプレイするとその出来に応じて選択したイベントマップのマスを進むことができます。一定のマスに到達することで報酬がアンロックされる仕組みですね。

 当然、低難易度よりも高難易度の方がいっぱい進めます。これまでは完走したことなどなかったのですが、今回は完走しなければなりません。ボーナスもある『INTERNET OVERDOSE』をひたすらプレイしました。

 すると、これまでプレイしていた難易度のフルコンボが取れてしまいました。ひとつ上、未知の難易度に恐る恐る進んでみると、さすがにフルコンボはできずともクリアできるラインまでは到達できました。このおかげで、無事ニディガコラボのトラック報酬はすべて回収できたのでした。

 なお、他の曲ではクリアもままならない状況です。着実にうまくなってはいるのでしょうが、まだまだ先は長そうです。『INTERNET OVERDOSE』のさらにひとつ上の難易度をフルコンボでクリア*1しなければ手に入らない称号がありましたからね。

 

 どうやら私は左右の手で別の動きをしなければならないところや、大量のノーツを捌くところが苦手なようです。処理能力がポンコツだからですね。情報量に圧倒されいつも途中でわからなくなってミスをして、そこから動揺して更にミスがコンボします。

 また、押しっぱなしや空中に手を置くノーツは、仕様を理解していないのか単にタイミングが悪いのか落としがちです。これも慣れる必要があるでしょう。

 

 ちなみに、報酬のひとつはキャラクターとして設定できる超てんちゃんでした。イベントバナーにはあめちゃんもいて、このゲームにはトランスフォーム*2というシステムがあると聞いていましたから、てっきりあめちゃんと超てんちゃんを変えられると思っていました。

 ところが、実際は超てんちゃんだけが実装され、あめちゃんは別の単体キャラとしても超てんちゃんのトランスフォームとしても実装されませんでした。せっかく原作設定としてもぴったりだったのに、惜しいことです。今回実装された楽曲は『INTERNET OVERDOSE』だけですから、いずれ『INTERNET YAMERO』とあめちゃんのいるコラボ第二弾をやって欲しいものですね。

*1:これはイベント終了後も楽曲が提供終了されない限りは取得できるそうです。楽曲に紐づいた称号ということですね

*2:一定ランクまで育成すると見た目を変えることができます

就活雑感: 総括

 就活が終わりました。ひとまずはめでたいことです。

 役に立つとは到底思えませんが、感じたこといくつかを項目別に書き残しておきます。就活エアプなのにお気持ちが12400字にもなってしまいました。こういう適当な人間に騙されてはいけませんよ。

 以降を読むのも面倒だ、手っ取り早く結論だけかいつまめという方向けに間違いなく言えることは、「早めにやった方がいいよ」と「深く考える機会を持った方がいいよ」ということ、そして実用的な情報が欲しいならもっと他の人を頼るべきであるということです。そんな単純なことができずに私はこうなっているのですから、あなたが私のようにならないことを祈るばかりです。

 

 

 

時期

 常々不思議だったのは、私が就活を始めるタイミングを逃すたびに「まだ大丈夫だよ」と言われ続けていたことでした。そして、それは半分真実でした。つまり、「卒業までに内定をひとつも得られずに終わってしまうのか?」という問いに対しては、かなり遅くまで「まだ大丈夫」ですが、「望んだ通りの会社に入れるか?」という問いに対しては必ずしもそうではないということです。

 

 まず、就活を早めに始めるメリットは、①選択肢が多いことと、②慣れる時間があることだと私は考えています(想像でしかありませんが)。早い時期ならば、当然ながら多くの求人があります。サマーインターンなどは必ずしも就活に直結はしないかもしれませんが、たまに内定直結型のものもありますから、うまいことそれに引っかかることができたのならしめたものです。倍率は高めで、インターンへの参加もできないことがあるそうですが、まだ始まってすらいないのですから、この時期ならうまくいかなくてもそう慌てずにいられるはずです。

 私が3年夏のインターンに参加しなかったのは、調べてみたら選択肢があまりにも多くてどれを選べばいいのかわからなかったからです。なぜそうなるのかといえば、選び方や基準がわからないからであり、それらを焦らずゆっくり考えたり探したりすることも、夏から始めていればできるでしょう。

 一部を除いて、どうせ求人が始まるのは4年の3月になってからです。私のようにそこから始めてもどうにかならないこともないのは確かですが、それより前に企業を選び、就活について考え、自己分析をして応募する経験を積めるのは大きいのではないでしょうか。「やったことがある」というのは、きっと大きな強みになるはずです。

 

 私が就活を始めたのは、4年の3月でした。こうなっている理由の多くはここにあると思います。後輩のひとりなど、3年の6月よりも前からインターンに勤しんでいました。彼女は何をしてもきっとうまくやるでしょうが、これはたぶん外れ値、ものすごく偉い人のパターンです。

 程々に偉くありたいのなら、3年の夏から秋にかけてがちょうどよさそうですね。早めに動ける人の多くはこの時期から動き始めていたように思います。余裕があることや経験があることのアドバンテージは、いずれ役に立つはずです。

 なお、私が始めたのは3月でしたが、ずっと精力的に就活をしていたのではなく、落ちて病んでやめてを繰り返していたので、断続的にやっていたようなイメージです。惑わされることなく集中的にやれたら案外早く終わるかもしれませんね。

 とはいえ、原因や相手がなんであろうと、"お祈り"されるのは少なからずダメージを受けるものです。「おまえはいらない」と拒絶されたのですから、その事実だけでダメージ判定は生まれます。かつて就活と恋愛を重ね合わせた話を見たことがありますが、その線でいけば振られ続けているということですから。拒絶自体が地雷だと尚更つらいはずです。

 ぜひ、自分の精神状態のことも気にしてあげてくださいね。

 

 

 

業界と企業

 面接でよく聞かれるのが、「なぜこの業界を志望したのか?」、「なぜうちを志望したのか?」ということでした。この質問がクラスター弾もびっくりの非人道的兵器であることは明らかです。

 

 私の例からお話ししますと、私はIT業界ばかり受けていました。なぜIT業界なのかといえば、IT業界に進んだ社会人の知り合い数名が楽そうだったからです。ある人は出社かテレワークかを決めることも勤務時間を調整することもできるようでしたし、またある人はずっとテレワークで給料も職場環境もいいと話していました。不純ですね。

 当然、こんなことをそのまま言う訳には参りません。カバーストーリーを考える必要があるのですが、これがまた難しい話でした。なにせ、強くは望んでいないものを強く望んでいるように嘘を吐かなくてはならないのですから。

 会社単体に限ってもそれは同じです。正直に申し上げれば「エージェントが持ってきたから」とか「他より多少マシに見えたから」になります。9月だの10月だのに選り好みしていられる余裕なんてある訳がないのですから、最初から聞かないで欲しいものです。

 

 ではどうすればこうならずに済むかといえば、自分についてよく考え、そして情報を収集する必要があります。つまり、業界研究と企業研究というヤツですね。

 経験や想い、気づきのようなものを無から創り出せる天才でもない限り、多少なりとも真実を織り交ぜておくのがいいでしょう。とはいえ、ここらへんを作るのは本当に下手ですから、もっと慣れた人を頼るべきです。

 私は、熱意を見つけることがついぞできませんでした。なんとしてもこの会社やこの業界に入りたいというのがなかったのです。もちろん、それでも興味には差が生まれますが、それはごく薄っぺらいものでしかない。

 これは就活の軸というものに繋がります。世界を動かすような仕事がしたいとか、チームで働けるところがいいとか、そんな望みも浮かんでこなかった。そんなんだから、「研修をはじめ学習や成長の機会があるところ」という醤油皿並に底の浅い答えしか出てこないのです。

 

 なお、正直に申し上げても、私に判断できるのは勤務地と給料だけでした。業績のすごさだとか独自性はわかりませんでしたから。あなたはぜひともなんだか難しそうな株主向け資料を読み解ける人になってくださいね。

 私は現在地の東京から離れたくありませんでした。生まれてこの方実家暮らしで独居への不安もありましたし、何より東京の持つ地の利は絶大なものがあります。何が悲しくてあらゆる文化に簡単にアクセスできる場所から離れなければならないのでしょう。超てんちゃんは東京にしかいないのですよ。

 給料は、少し注意を要します。基本給というものはありますが、各種手当だのみなし残業だのと給料の内訳は複雑ですから、それを精査する必要があります。この見方についても、誰か詳しい人に習っておきましょう。

 なお、私はある人に「おまえは私より給料のいいところに入れないだろうね」と呪いを掛けられています。これがかなり高かったものですから、ほぼ必中でコンプレックスを齎す非常に凶悪な呪いでした。もしいいところに入れたとしても、あなたは後輩にこんな呪いを刻まないようにしましょう。閑話休題

 

 私はもっと考える時間を持つべきだったのでしょう。自分が何に喜びを感じるのか、どういうことをしていたいのか、それはどの業界でなら得られそうか、さらにその中のどの会社が適しているかを考えていれば、右往左往することもなかったのです。SEの募集を受ける中で「どのようなエンジニアになりたいか」を何度か聞かれましたが、これにも答えられたでしょう。

 ここまでの私の話が薄く聞こえるのは、なにひとつとして経験が伴っていないからです。想像ばかりで物事を語ろうとしているからです。リアリティーを持った言葉でなければ、人の心を動かすことはできません。そのリアリティーを与えてくれるのが知識と経験、思想です。

 逆に言えば、それらがきちんとしていれば格段に就活を進めやすくなっていたはずです。まさに軸ということですね。

 

 

 

力を入れたこと

 いわゆるガクチカというヤツです。

 

 私の場合は、幸いにも大学祭の実行委員会で活動していたことが使えました。私からしてみれば何か努力した感じはしませんが、食いつきは悪くなかったように思います。

 なぜ入ろうと思ったのかはそれなりに聞かれました。答えは「誰かと企画を創り上げて運営することが楽しかったから」です(高校時代にも文化祭の実行委員会に所属していましたからね)が、それを賢そうに加工するのは断念していました。うまく整理して言語化してから使えば、ちょうど就活の軸というものにできていたかもしれませんのに。

 自分についてよく理解している人、なんでも話せると思える人に相談しておくべきだったと思います。もちろん他のエージェント等が使えないのではありませんが、内面を言語化するには特別な人の助けが必要です。閑話休題

 

 なんにせよ、多くの場合はサークルやアルバイトの記憶から使えそうなものを探すことになると思います。ここでもリアリティーがあるといいですから、具体例や数字が出せるエピソードなら特効がありそうです。

 そして、後述するエントリーシートでも同じことが言えますが、就活用の言語をインストールする必要があります。素材となる経験があっても、ただそれを話すだけでは無駄になってしまうかもしれない。それを伝わりやすく加工する必要があるのですね。ガクチカエントリーシートに書くことも面接で聞かれることもありますが、いずれにせよ事前に文章として書いておくのがいいでしょう。

 また、面接ではある程度予想できる流れというものがありますから、それへの対応もしておくといいと思います。ガクチカを聞いた後に「それで得たことは?」とか「苦労したり挫折した経験は?」とコンボが組まれることがあるので、どう質問が派生するかを予想したりよくある派生パターンを覚えたりして対策しておくと慌てずに済むということです。面接の経験者に取材して実例のサンプルを集めると効果的かもしれません。

 

 これを予想質問みたいな名前で呼称するそうです。すべての質問を事前に予想することは困難とはいえ、やはり頻出する質問はありますし、まったく同じでなくても似た質問であれば応用もできるでしょう。ぶつけられる質問を想定し、それへの答えを文章として書いておくことで、本番では慌てずスムースに答えられますし、その文章を書いている過程であなた自身への理解も深まることでしょう。

 

 

 

適性検査

 IT系のみならず、様々な企業で使われているそうです。効果はわかりません。

 いくつもの種類が存在し、企業からこれを受けてねと指定されたものを解くことがそのまま審査となります。種類は正直意識していなかったのであやふやですが、コンサルタントだかなんだかでは重要なものだそうです。一度だけこの話を聞きましたが、その話をしてくれた人はやっぱり失踪しました。

 

 私が受けた中で問題そのものを分類すると、数学系と国語系に加えその他と性格診断の4種類に大別できたように思います。試験によって詳細は異なりますが、これらが組み合わさったものと戦うことになります。

 数学系はいわゆる四則演算です。厄介なことに分数や小数も出てくるので、徒手空拳で挑むには少し心許ないですね。幸いにも電卓は使えますから、必要に応じて頼るといいでしょう。分数と小数の仕組みについても、初歩ながら見直しておくと役に立つかもしれません。

 国語系は、高校までのテストに出てきたようなものとそう変わりません。難易度は低めですから、慌てずに解けば問題はないでしょう。抜き出しとか文章を挿入すべき箇所の指摘みたいなのも出ます。

 その他は、どう形容したものか困ってしまいます。これを考えたヤツはよっぽどのひねくれものだったのでしょう。論理的思考ができるかどうかを問うのが目的らしく、一定の法則を覚えて問題にそれを適用し、処理が完了したあとの状態を思い浮かべる必要があります。細かい種類は3つくらいありましたが、その点はどれも変わりません。後半になるとまったくわからなくなるので、やさしい部分を正確に解こうとしていました。いきなり交戦して混乱しないよう、例題を探しておくくらいしておけばどうにかなります。それくらいしか思いつきません。

 

 性格診断は、「自分は████だと思う」とか「████する方だ」みたいな文章があって、それのあてはまり度合いを5段階くらいで評価するタイプや、いくつかその文章が並べられている中からもっともあてはまるものともっともあてはまらないものを選ぶタイプがあります。これも対策をするようなものではありませんが、私はどっちつかずな答えをあまりしないとか一貫性を持って答えるとかを心掛けていました。あと、たまに芸術家に関して言及するものがあって、「性格診断で社会不適合者は芸術家タイプになる」という話に怯えていたのでなるべく触れないようにしていました。いいかどうかはわかりません。

 ところで、質問の中には「嫌な記憶を一日に何度も思い出す」とか「何もかも嫌になる時がある」みたいなものがあって、私はそれをあてはまらないと答えていたのですが、そうやって嘘を吐くたびに私の中のどこかが死んでいくような気がしていました。閑話休題

 

 そういえば、基本的に試験の結果は開示されないのですが、面接中に少し触れられたことはありました。試験で明らかになった傾向と面接中に聞かれた「自身で考える強みと弱み」が合致しているかどうかを見ていたようです。無理に作ろうとはせず、一貫性のある回答ができるようにしていたのがよかったのかもしれませんね。

 

 

 

エージェント

 よくない印象を抱いている方もいらっしゃることでしょう。わかります。

 

 私は、一足先に就活を終えた友人から紹介されて新卒エージェントを使うことにしました。もっとも、彼は留年が確定して卒業できない身体となり、その内定も露と消えてしまったのですが⋯⋯。彼が内定を手に入れたのは3年の1月か2月くらいだったと記憶していますから、うまく使えばその時期に終えられるようです。

 登録すると、面談を経てエージェントが配属され、以後はそのエージェントと相談→紹介された企業から選んで受ける→サポートやフィードバックを受けつつ進めるの繰り返しです。基本的には企業と我々とを仲介しているのですね。

 

 こうしたサービスを使う利点は、当然ながらひとりで戦わなくていい点です。マイナビのようなサイトを見てみれば、非常に多くの求人で溢れていることに気づくでしょう。私のような選択肢があまりに多いとフリーズするタイプの人間にとっては、ある程度の希望を伝えればそれに沿っていくつかピックアップしてくれるのは便利でした。

 また、その会社の面接で他の就活生がどんなことを聞かれているかを教えてくれることもありますし、オンライン面接の時にカメラの角度や証明をどうすべきかリアルタイムで指導してくれることもあります。このように、ひとりで戦うのでは手に入らない利点があるのは事実です。

 

 一方、自分以外の人間が関わってくることはデメリットでもあります。企業を検討したり選考したりする中で、かなり頻繁にエージェントと連絡を取る必要があります。そういうのを面倒に感じたり、失敗したことを引き摺ってさらに連絡を取らなくなる私みたいなタイプにとっては、逆に就活をしなくなる原因になるかもしれません。

 

 もうひとつ、我々がサービスを利用するのは無料です。ではどこからエージェントの給料が出ているのかといえば、それは企業たちなのです。送り込んだ学生が内定を取れたなら報酬がエージェントに行くような仕組みだと聞いています。

 つまり、エージェントは所詮仕事としてやっているのに過ぎないのですね。これはすなわち彼らが適当にやっているということにはなりませんが、疑念を抱く元にはなります。もっとも、真偽を確かめる方法などありませんし、それならどうして落ちるところばかり紹介してきたのかは謎です。

 例えば、私の場合ですと「まだ志望業者があまり定まっていない」と伝えていた時期に勧められたのは介護や製造でした。これらの業界には苦しみしかなくて給料も安い、そして人が足りていないという偏見がありますから、こういった業界に誘導するよう言われているのでは?という疑いが出てきたのですね。それを抜きにしても私とは相性が悪いとは思います。

 

 また、もしうまいこと内定を取れたとして、あなたは内定承諾期限というものに直面します。ちょうど、告白した相手からいいよと言われたけど、本当に付き合いたいのならいつまでに決めてね、と付け加えられたようなものです。もし承諾するのなら、書類にサインをして手続きを進めていくことになります。

 しかし、これに法的拘束力はないそうです。つまり、付き合うことにしたあとに他の女を口説いても問題はないということです。もちろん企業に迷惑はかかるでしょうが、これは比較的スタンダードなダブルスタンダードとされます。浮気よりはマシなはずです。

 ですが、いったん承諾した内定に断りを入れる場合、エージェントを介さねばなりません。ひとりで進めていたらただメールを送るか何かで済んでいたでしょうに、面倒ですね。こうなると、エージェントも自身の利害に関わってくるのでしょうから、いい顔はしません。

 私の場合ですと、承諾時に「大学の進路指導課から『承諾はとりあえずしておいてもう少し就活を続けるだけ続けてみたら?』と言われた」と伝えたところ、「それはできない」と言われました。できなくはない(決してよくはないが)あたりが誠実な回答だったでしょうに。

 

 まとめると、エージェントは向き不向きが存在するということですね。もちろん個人の相性もありますし、「他人に頼る」ということへの適性や自分の意志をきちんと持っていられるかが大きく関係してきます。うまく他人を頼れる人、頻繁に連絡を取って物事を進めるのが苦ではない人、きちんと自分の意向を伝えられる人なら必要はないかもしれません。

 もっとも、そういう人は大抵優秀ですから、頼るまでもなく内定を取れているのでしょう。そうでないとしても、素直に努力できる人はエージェントとそれこそ二人三脚に戦えると思います。本当にどうしようもないのは、優秀でもない癖して他人を頼ることもできない私です。

 

 

 

エントリーシート

 私と相性が悪いもののひとつです。

 もしかすると、普段から文章を書いていると有利だと思われるかもしれません。私もそう思っていました。

 ところが、実際はESのための文章の書き方というものが存在しますから、それに沿って書かなくてはなりません。これがえらく苦行でした。

 

 私が普段書いているのは、ひとつの文にこれでもかと情報を詰め込んで、ややこしい言葉や表現を多用した文章です(そのつもりです)。個人的にはこれが美しい文章と思っているからですが、ESではその真逆がよいとされます。

 つまり、ひとつの文にひとつの事柄しか書いてはいけないというのです。読解力を疑いたくなりますね。なまじっか経験がある分、慣れないことをしなくてはならないのが余計につらいことでした。これは「伝えるための文章を書く力があるか」とか「伝えたいことをきちんと筋道立てて言語化してそのフォーマットに落とし込めるか」というのを見ている訳ですから、当然なのでしょう。

 

 とにかく、普段書いている文章とは違う独特な流儀がありますから、"ウケる"書き方というのはぜひとも身に付けておきたいところです。内容がいいのに表現方法で損をするのはもったいないですからね。ここは素直に誰か慣れた人を頼るのがいいでしょう。最近はAIに頼るのもアリかもしれません。

 添削は主に3名を頼りましたが、うち2名は途中で失踪しました。そんなにひどい出来だったからではありません。単に嫌われただけです。相談する相手は選ぶようにしましょう。

 

 なお、エントリーシートの書式はいくつかありますが、だいたいはエージェントの会社から供与されたものを使っていました。大学指定の書式もあるそうですが、結局使いませんでした。たまには企業から無垢のファイルが送られてきて、それに記入して送り返すよう指定されることもあります。

 いずれにせよ、書くことはそう変わりません。後述しますが、汎用的な項目と企業や業界特有の項目があります。字数が違っても、大まかな方向性や伝えたいことが定まっていれば、その都度細かい調整を行うだけでどうにかなるはずです。

 なお、最初にエージェントに言われて書いたエントリーシートをエージェント側が所持しており、書類が必要な際はそれを企業に渡していたようです。面接時、相手はそれを見ている訳ですから、就活での強み弱みやガクチカなどの方向性が変われば、それに合わせてエージェントの持っているエントリーシートを更新しないと、話が食い違います。もしエージェントを使うのなら、必要に応じて更新を欠かさないようにしましょう。

 

 

 

面接

 死亡率9割超を誇る、間違いなく私に不向きなコンテンツです。就活自体が不向きなことばかりでしたけど。一方で、度々登場した失踪者のひとりは面接に落ちたことがないと語っていましたから、得意な人はとことん得意なのでしょう。必要なのは、おそらく準備と慣れです。

 

 面接でぶつけられる質問には2種類あります。すなわち、予想できるものと予想できないものです。

 予想できるものには「学業以外で打ち込んだことはなんですか?」とか「学部を選んだ理由はなんですか?」のような業界を問わない一般的な質問と、「これまでにプログラミングの経験はありますか?」とか「どんなエンジニアになりたいですか?」のような業界特有の質問があります。これらを知るには、インターネット含め先人の知恵に頼るのがいいでしょう。

 予想できないものとは、企業がオリジナルでやっている質問やその場の流れで生まれた質問です。これらを完全に対策することは叶いませんが、先達から情報を得られることはありますし、まったく奇想天外なものだけではなくこれまでに答えたことのある質問と似た質問も来るでしょう。

 要は、自分のことについてよく考えておけということですね。軸というものがあったのなら、最低限のロード時間で答えを返せたと思います。そのためにも、やはり想定される質問や喰らったことのある質問、誰かから知り得た質問への答えを事前に文章化しておくことはやはり有効だったのでしょうね。こうした準備がなければその場で毎回答えを組み立てなければなりませんから、テンポは悪くなるし穴も出てきます。

 

 こうした準備ができていても、それを本番の面接で役立てられるかはまた別問題です。これがただの筆記試験だったのならまだよかったのでしょうが(緊張することこそあれど)、面接の場にはヒトがいます。厄介なことに、面接官にも感情というものがある生きた人間ですから、それに合わせなくてはなりません。

 面接のマナーを知っておくことも準備に入りますね。それとは別に、伝え方や身体の動かした方(身振り手振りがどうのアイコンタクトがどうの)も望ましいものを覚えておく必要があります。面白くもくすぐったくもないのに笑顔で話すなんて心底気持ち悪い限りですが、彼らがそういったものを好む奇人ですから仕方がありません。

 

 そうそう、最近ではオンライン面接も多いです。エージェントを通して私が受けた中だと、まず会社説明会があって、それを受けてから選考に進むかどうか決めるところが多かったです。その会社説明会もだいたいオンラインでしたし、以降の選考もエントリーシートや適性検査を挟むことはあっても一次面接はほとんどがオンラインでした。面接は後のものになるにつれてだんだん対面になる確率が上がっていきますが、会社によっては最初から最後まですべての面接がオンラインというところもありました。

 オンライン面接では、下半身に気を使わなくていい分カメラの角度や光に気を使わなければなりません。カメラを通した見え方は結構わかりにくいもので、これも誰かに見てもらうといいでしょう。私はエージェントとの面接の練習の際に指摘してもらいました。女優ライト、案外馬鹿にならないものです。

 

 そして、あなたも私もヒトですから、これらすべてを面接でいきなり十全に扱えるとは限りません。そこをカバーするのは、やはり経験値をおいて他にないのですね。怖いのは未知だからであって、慣れてくれば落ち着いて面接に臨めます。

 とされていますが、私はまったく慣れませんでした。意識の高い就活生と比べればまだ場数が足りないのもあるでしょうが、これは慣れ不慣れというよりも私がただコミュ障というだけな感じもします。

 結局、内定が出たところも含め、まったく緊張することなく面接をこなすことは一度たりともできませんでした。次にどんな質問が来るかとか、どう答えようかとか、そんな思考でいっぱいです。模擬面接というのをしておけば多少はマシになったのかもしれませんが、これはもう死ぬまで治らないような気がします。

 出願数は20くらい欲しいと誰かが言っていました。私の総出願数は覚えていませんが、あっさり落ちたところも含めればそれくらいになったかもしれません。面接の場数を踏めば慣れていくのは確かでしょうし、それゆえ本命を後半に配置するのも合理的ですが、だからといって志望度の低い面接を舐めてかかるのは(企業に失礼とかそんなどうでもいい理由ではなく)あまりよくないと思います。

 私は、最後まで面接の手ごたえというものがわからないままでした。これは、単純に勝った経験があまりにも少ないからです。勝ち方というのは勝たなければわかりませんから、「こうすると負ける」だけではなく「こうすると勝つ」もやはり必要です。出願が無料とはいえ無限にできるのではないのですから、どうすれば勝てるのかを考えつつ毎回の面接を勝とうとするのが望ましいのではないでしょうか。木虎藍は正しいことを言いますね。

 

 また、面接でよく設けられるのがワクワクご質疑応答タイム、通称"逆質問"です。「████さんの方からご質問はありますか」のように聞かれるのですが、これにいくつかの質問を返さないと志望度が低いと思われるらしい、非常に悪質な罠です。

 「入社までにしておくべきことはありますか?」とか「[面接官の名前]が入社を決めた点や入社してよかったと思う点はなんですか?」とか「どのような素質が必要だと思いますか?」、「入社してからの流れはどのようなものですか?」を使っていました。福利厚生面を聞くのはよくない(妙な話です。金を稼ぎたいというのがほとんどの人の就職動機でしょうに)とされているそうですが、「社員間交流はありますか?」は使いました。聞く人もそれなりにいるようです。

 大抵は3つにしていましたが、面接が何度も繰り返されていると、前と同じ面接官なのに逆質問を求められることがあります。もちろん前に使ったものは使えませんし、面接を重ねていれば知っている情報も増えてきますから(相手から明言済みの内容をまた聞く訳にはいきませんからね)、ますます質問の幅が狭まってきます。面接官が異なることももちろんありますから、一概には言えませんが。

 汎用ストックを多めに持ちつつ、施作やこれまでに聞いたことを反映させた企業ごとにユニークな質問も用意できるとよさそうです。企業に興味があって調べていることもアピールできますからね。

 

 

 

大学

 名前はそれぞれ異なってくるのでしょうが、大学には学生の就活を支援してくれる部署がどこかにあるはずです。ここも無料で使えるツールですね。

 弊学では、普段お知らせが貼られたり履修登録に使われたりするポータルサイトとは別に、就活生向けのwebサービスがありました。ここには企業の求人やインターンシップの情報が掲載されるほか、大学が提供しているエントリーシートや履歴書などのテンプレートがダウンロードできたり、採用実績を閲覧できたりします。大学が主催する合同企業説明会のお知らせもここに来ました。

 また、職員との面談も予約できます。これは対面とオンラインのどちらも選ぶことができ、エントリーシートの添削や模擬面接、就活全般の漠然とした相談まで幅広く活用できました。エージェントと似ていますが、普段いる大学でできることや大学専用の求人情報を扱える点が異なりますね。彼らは紹介報酬など得ていないはずですから、その点も信頼できます。

 私はこれまで大学職員にいいイメージを持っていませんでした。主に委員会と敵対関係にある学生生活課や底意地と態度の悪い警備員連中のせいです。なので利用を渋っていたのですが、いざ利用してみると親切に接してくれて便利なサービスでした。「素のあなたを出そう」と言われた時にわからなくなって行かなくなってしまいましたが、これは私のせいですね。何度か使えば利用の精神的ハードルも下がるでしょうから、ぜひ一度くらいは使ってみてもいいと思います。

 

 成績証明書のような大学発行の書類を要求されることがたまにあります。案外面倒なものなので、暇な時に発行の手順を知っておくといいでしょう。弊学では、オンラインで申し込み後郵送、学内印刷、コンビニ印刷から選べました。厄介なことに、デジタルのpdfデータのような形では発行していないのですね。こういう時だけでなく何らかの承諾書をメールで送付→署名してpdf化したものを送り返してねということもたまにあるので、スキャンの方法も知っておくと便利です。

 念を期すなら、1部くらいは現物を常備し、スキャンデータを作っておくと安心です。顔写真データと同じフォルダにでも入れておきましょう。

 

 

 

合同説明会

 大きな会場に企業のブースがいくつも拵えられて、同時多発的に説明会が開かれている会を合同説明会といいます。コミケみたいな即売会が雰囲気近いでしょうか。

 情報を得るには自分から行動しないといけないものですが、こういった会では企業の方から来てくれます。もっとも、私はその後の出願を怠りがちでしたけど。

 マイナビが開催するものは特に規模が大きく、ビッグサイトが会場の場合もありました。とにかく企業数が多く、業界も知名度も千差万別です。手っ取り早く様々な業界を覗いたり、有名企業の人と話したりするならうってつけでしょう。

 大学が開催するものは規模でこそ劣りますが、企業側が「この大学の学生が欲しい」というニーズを持っていたり、限定の優待(書類審査免除など)があったりとやはり得です。参加者数も少ないですから、担当者との距離も近いはずです。

 そうそう、説明を聞くとパンフレットや粗品をくれる企業がありますが、マイナビ主催の3年生1月に開催された会では、モバイルバッテリーや水筒をくれるところもありました。無料コンテンツなので回し得です。

 また、マイナビ主催だと指定数以上ブースを回ったり早めに入場したりすることで金をくれる場合もあります。ノルマをこなすのは案外時間的に難しいのですが、参加数のカウントは小さなカラーシールをパンフレットに貼って行っているだけなので、複数種の丸くて小さなカラーシールをこっそり持っていくと幸せになれるかもしれませんよ。

生存報告: 2023-4

 年度を3月終わり4月始まりにしようと考えたのはどこの誰だったのでしょうね。便利なところもあるのでしょうけど、それにしても「年」と「年度」と近い名前にしたところはセンスがないと思います。思いっきり違う名前にすれば間違うことも減るのに。

 まあ、もっとセンスがないのは元号を書類で使おうとする連中です。入試や就活で何度も思いましたが、西暦と元号の変換に人々が使った時間をすべて合わせたら、それはそれは膨大なものとなるでしょう。判子などちっちゃく見えるくらいの無駄がここには潜んでいます。

 

 

 

<学校>

 とうとう最後の年が始まりました。

 大学4年生といえばゼミくらいしか登校しないイメージでしたし、知り合いにもそういうパターンはいくらでもいました。しかし、私の場合はなんなら知り合いの3年生より忙しい週5登校になってしまいました。それぞれの日に配置されているのはせいぜい1コマか2コマとはいえ、どうしてこんなことになってしまったのでしょうか。しかも1限もあります。

 割と必修単位を回収していなかったり、資格のために必要な単位が他の授業と被っていて取得が今年まで後回しにされていたりという事情があれど、やはりおよそ4年生らしからぬ時間割です。これまでの総単位数も、同期に聞いてみたら私は少なめのようでした。

 

 資格取得課程もいよいよ大詰めです。綿密とは程遠い計画に沿って単位を取得してきたのですが、どうにか卒業までにはコンプリートできそうです。

 ちなみに、その資格課程として登録されているすべての授業を履修する必要はありません。一部の授業は選択必修として定められており、例えば6つある授業から3つ履修すればよいといった感じです。

 その選択必修枠には実習が含まれていました。逆に言えば、取らなくてもどうにかなるということでもあります。実習の負担は大きかろうとその実習以外の座学で選択必修の必要数を埋められるようにこれまで履修してきたのでした。

 ところが、同じ資格を目指している他の男共が全員これを取るそうで、おまえも来いと誘われました。私としてもいらない授業を取る必要はないだろうと面白そうは面白そうで揺れていたので、結局履修することにしてしまいました。

 実習は通年単位の扱いで、春から夏にかけて事前学習があり、夏休みくらいに実習本体、後期に事後学習という流れだそうです。だそうです、というのは私がオリエンテーションをすっぽかして説明を直接聞いていないからです。

 申し込み書類もそのオリエンテーションで配布されていたため、他の参加者のものをコピーして素知らぬ顔で出しました。書類を受け取った大学職員は、何か思い入れでもあったのか、「これでオリエンテーションに来た全員が履修するんだね!」と言っていました。おそらく、オリエンテーションにいた4名(私以外の男3名+女1名)と今書類を提出した4名(私以外のきちんとオリエンテーションに参加していた男3名+オリエンテーションにいなかった私1名)の人数が奇跡的に合致したのでしょう。曖昧な笑いを返すしかありませんでした。

 なお、そのすっぽかしというのも奇妙な話でした。オリエンテーションは3月末にあったのですが、存在をすっかり忘れてアルマンから「月末に出勤できないか」という打診を受けてしまったのがちょうどその日だったのです。他人から受け取ったシフトなので今更爆破する訳にもいかず、どうにもできないなと出勤したのですが、実はアルマンから打診されたのは翌月(つまり4月)の同日だったのです。

 出勤してから怪訝そうな新入社員たちの様子によってそのことに気づきましたが、もうすべてが手遅れです。そんな経緯で、入ってもいないシフトによってオリエンテーションを逃していたのでした。愚かですね。

 

 さて、3月に素敵な局旅行はありましたが、いよいよ我々に仕事はありません。去年の秋から冬にかけてはまだ引退でごたごたしていて、今年に入ってからは期末試験や期末課題に追われていましたから、今になってようやく委員会ロスを感じています。定年退職した高齢者ってこんな感じなのでしょうか。

 もうひとつのサークルは活動がありますし、そちらは4年生でも割と活動に参加していますから、活動頻度は低いとはいえそちらも楽しみです。その新歓もありました。

 新歓は大別して2種類ありました。まだニュートラルな新入生を勧誘するための会と、それなりに入る気になっている新入生となかよくなるための会です。

 前者は大学が主催したもので、両キャンパスで同日に開催されました。私も所属している方のキャンパスに行こうとしたのですが、なぜか都会のキャンパスの方に人が足りず、そちらに配属されました。私なら定期もあるのに、ちょっと申し訳ないですね。

 僻地側は去年も参加していましたが、そちらはアーケードの歩道みたいなところに机を置いただけのものでした。それが、都会側では教室が開放されています。ここにも小さな差別がありますね。

 室内でやれる分、PCのスライドを使えるのが大きかったように思います。参加者は私の他にこちらのサークルのボスと幹部の3人だけで、かなり手一杯でした。昼は諦めました。

 ビラを結構刷ってしまったらしく、捌ける気配がしないので私が配ってくることになりました。建物を出て屋外に向かうと、そこかしこに新入生がいて、ビラを押し付けられています。最初は定点から近くを通った子にビラを渡していましたが、それでは到底なくなりそうにないので自分から声を掛けにいくことにしました。

 やっていることはナンパや呼び込みと同じですから、私には絶対に不向きです。同じ人に声を掛けたことも何度かありました。それでもほとんどの子は素直に受け取ってくれるので、どうにかすべて配り切ることができました。

 ここで才能を発揮していたのが、同じサークルの後輩です。彼は私がビラを配っているサークルで同じなのですが、自分で映画鑑賞サークルを立ち上げており、今日はそちらの代表として来ているのでした。集団をうまく捕まえてまとめて渡したり、他のサークルのビラを受け取ったところを見逃さずに便乗して渡したりと天才的な技術と度胸でどんどんビラを捌いていました。

 ちなみに、私は4年生のくせしてこのサークルの説明を聞きに行き、ちゃっかり加入までしました。これで3つめですね。なお、僻地キャンパスの学生は現時点で私だけだそうです。

 

 もうひとつの新歓は、両キャンパスでそれぞれ別日に開催されたため、両方に参加することができました。僻地側は、芝生でのピザパーティーです。これはこのキャンパスに通う者にとっての定番でしたが、なぜか私にその経験はありませんでした。そういえば、ちょうど雨が降ったのでした。

 解散後、3人だけでカラオケに行くことにしました。去年の本祭の打ち上げをはじめ、よく行くチェーンのカラオケ店があったのですが、その3人の中にいたこちらのキャンパスの後輩が別の店を教えてくれたのです。

 そこは他では聞いたことのない名前をしており、結構安いので胡散臭げに思っていましたが、入ってみればちゃんとした店です。部屋によってはなぜかダーツの機械が設置されていて、これも投げ放題なのでした。もちろんドリンクバーもあり、なんならアイスクリームやポップコーンだって付いてきます。アイスのトッピングにカラースプレーがあった点は評価に値するでしょう。

 このキャンパスで過ごすのも最後の年になってしまいましたが、今でも新たな発見はあるものです。ここを教えてくれた後輩には感謝しています。

 

 さて、都会側のキャンパスには芝生がありませんから、居酒屋が会場といういかにもな新歓が計画されました。サークル自体の規模が大きい分、新歓も大がかりです。最大でも20だか30人の宴会にしか参加したことがない私にとって、60だか70人規模の宴会はまったく未知の経験です。そんなに多くの人間が入る店だって知りませんでした。

 参加者のほとんどは当然ながら新入生です。対する我々上級生の数は12名と圧倒的に足りておらず、ひとりで5名程度を見ることになるかと思われましたが、当日、会場に行ってみると、ちょうど12名程度が座れるエリアがありました。結果、その狭いところに上級生は全員引っ込み、広いエリアに1年生たちだけで座ってもらうことになりました。新入生同士でなかよくなってもらうのもいいことですね。

 ところで、この会は悲しいことに酒が禁じられていました。まず確実に未成年である新入生ばかりですから、これはまあ当然なことです。我々だけ飲むこともできるでしょうけど、それはなんだか不公平にも思えますから、酒は二次会まで取っておきました。

 基本的に我々上級生は上級生だけでまとまって話していましたが、それもどうかと思って新入生たちのテーブルにも少しお邪魔しに行きました。ものすごく陽キャな男たちの集団に突撃したら案外気さくに接してくれて、私の名前も覚えてくれたようです。ごめんなさい、あなた方の名前はおいおい覚えますから、どうか気長に待っていてくださいね。

 大学に入る前に思い描いていた春のサークルの概念である「押し付けられた両手にいっぱいのビラ」と「新入生の同期がいっぱいいる居酒屋の新歓」のふたつを、とうとう今回で達成できたことになります。どちらも運営側でしたけど、それはそれで楽しい経験でした。私には叶わなかったものたちを当たり前に享受できる彼らには、心からの祝福を贈りたいものです。

 二次会の席で、私は思い立って飲酒部を立ち上げることにしました。名前こそ禍々しい雰囲気ですが、内情はただ遊ぶ会です。全体にお誘いを投げまくってもいいのですが、それではあんまりそういうのに興味がない人に迷惑でしょう。酒とかご飯とか遊びに対していわばフッ軽な人々を集めて、気軽にそういった提案ができて乗れてという場所を作ろうというのが私の狙いです。

 

 

 

<アルバイト>

 なんと、例の新入社員が今月で退職することになりました。店を去って本社に戻るのでもなく、会社自体を辞めるのです。

 以前、この話題が持ち上がった際には退職後の進路が決まっていないことを理由に退職を断念していたはずですが、それでも彼が退職を決意した理由は、この4月にありました。つまり、5月頭のゴールデンウィークに働きたくなかったのですね。彼の妙な方向への信念には頭が下がるばかりです。

 アルマンはこの思いがけない幸運に喜んでいます。いえ、アルマンだけではなく店の誰もが喜んでいます。この様子だと、本社にいる彼の上司たちも喜んでいるでしょう。

 とはいえ、いくら新入社員の仕事ぶりがひどいものだったとしても、長時間働いていたこともまた事実ですから、それが抜けるとなると店の人手不足はいよいよ深刻です。ダーウェントが手を打つとも思えませんし、この店はいったいどうなるのでしょうか。この店は、ずっと存続が危ぶまれています。

 

 

 

<ニコニコ超会議>

 幕張メッセで開催されたニコニコ超会議に行ってきました。今回の目当ては、言うまでもなく二ディガのブースです。

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 なるべく早めに入ってまっすぐ超てんちゃんブースへ向かったのですが、欲しかったトートバッグは売り切れていました。ポストカードの付属条件を満たすように、インターネットやめろパーカーを買いました。袖から肩、そして反対側の袖にかけてINTERNET YAMEROの文字が白くプリントされています。これはこれで素敵ですが、大昔に発売されていた虹色にプリントされたパーカーも欲しくなってきました。再販がいつかあるといいですね。

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 さて、超てんちゃんブースにあるのは物販だけではありません。そのひとつ、超てんちゃんのおへやは、二ディガらしきものがこれでもかと詰め込まれた素敵な空間です。スケルトンな64のコントローラーとかブラウン管テレビに加え、これまでのグッズがたくさん配置されていました。

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 また、その隣にはなんと等身大の超てんちゃんのフィギュアが置いてあります。以前発売されたフィギュアと同じポーズなので、それがそのまま等身大サイズまで大きくなったような感じですね。フォトスポットと同じく整理券は手に入りませんでしたが、遠くからそっと撮影しました。

 私が今使っている端末はiPhone6sで、大抵その場にいる誰よりも古い機体です。入学時に買いましたから、もう4年目ですね。当然ながらバッテリーもかなり劣化していますし、性能も最近の機種に比べれば大きく劣ります。カメラはこれに頼り切りですから、強いカメラを搭載した機種に買い替えるか、ちゃんとしたカメラを買うかしたいものです。さもなくば、こういうイベントに一緒に来てくれて撮影してくれる人がどこかにいませんかね。

 ふと調べてみたのですが、この会社は以前にも等身大のフィギュアを作ったことがあるようです。その際の価格は300万程だったらしく、もちろん同じになるとは限りませんが、いつかもし発売されることがあったのなら、なんとしても我が家にお迎えしたいですね。人生の目標ができました。現時点では、マイホームより優先度が上です。

 

 ちなみに、この超てんちゃんブースの近くにはNIKKEのブースもありました。事前に「リアル10連ガチャがあるらしい」という情報を得ており、グラブルのリアルガチャ*1のようなものかと思っていたのですが、NIKKEのリアルガチャは一味違いました。

 リアルガチャブースには、電話ボックスのような人間サイズの箱が10個ずらりと並んでいます。「 ( 」のような形を描いていて、それらと向かい合うようにしてステージが置かれているのでした。ガチャを引くには、そこに立ってニケへの愛を叫ぶ必要があります。

 愛を叫ぶと10個の箱がさっと透明になり*2、中にはニケに扮したコスプレイヤーがいます。実は事前に正面の4枠にいるニケが誰かの予想を書いており、それが当たっているかを試していたのですね。当たると結構豪華そうな景品が貰えるようでした。

 NIKKEはまだハーフアニバーサリーを過ぎたくらいの時期です。なのにこんなに大きなブースを設えて大規模な企画ができるとは驚きました。えっちな服のお姉さんが透明な箱に入れられて並んでいるのが風俗みたいだと誰かが言っていましたが、この方向にもよく思い切ってくれたものです。発案者は天才ですね。

 リアルガチャはおそろしく混んでいて断念したのですが、それ以外にも参加できる企画がありました。試遊やブースの写真投稿、ミニゲームをクリアすることで今度こそグラブルのそれに近いリアルガチャが回せます。中には景品名の書かれた紙が入っていて、最後に交換してくれる仕組みです。

 最初はステッカー1枚だけだったのですが、時間が余って周回しているとTシャツやらキャップやらアクリルスタンドが当たりました。クオリティもちゃんとしています。こんなのをぽんぽんばら撒けるのはすごいなぁと、庶民は思ったのでした。

*1:会場でスタンプを集めると物理的にガチャを回すことができ、その中には実際に使ってアイテムを入手できるシリアルコードが入っているという企画です

*2:回す前は白くて不透明です

生存報告: 2023-3

 物事は悪い方にばかり転がっていくものです。

 

 

 

<学校>

 追いコンというものをご存知でしょうか。追い出しコンパという意味(たぶん)で、卒業や引退していく者たちを送り出す会ですね。要は、最後に楽しもうねということです。

 委員会の我々のひとつ上の代を追い出すべく、この追いコンが開かれました。企画はなぜか私です。同期の中ではもっとも彼らと縁の薄いひとりだと思うのですが。レンタルスペースを借りて、ホームパーティー的なものを開催することにしました。立食パーティーと迷ったのですが、楽しく騒げるのはこちらでしょう。

 開催された会はとても楽しく、やっぱりもっと早く委員会に入っておけばよかったという後悔がより一層深まりました。幸いにも大きな不手際をすることなく会は終了したのですが、私が持って行った私物のボードゲームが備え付けのものと勘違いされて部屋に残されていたことが後になって判明しました。駅からは少し離れたところにあるので、回収は少し手間でしたね。

 彼らはこれから社会人とか院生とか4年生(再履修)とかになって、新しい世界に踏み出したり踏み出さなかったりします。また彼らと遊びたいなと呑気に思う一方、もう1年後には彼らと同じ立場に自分がいるのかと思うと恐れが先に来ます。でも、後輩たちから盛大に追い出されるくらい大切に思われていたのなら、それはなによりも素晴らしいことです。

 

 さて、委員会では夏合宿が恒例でした。しかし、ここ数年は計画はしても中止が相次いでおり、局単体での合宿がこの3月にとうとう開催に至ったのです。長いことでしたが、最後に1回だけでも参加できてよかった⋯⋯いえ、もっと早くできていたはずですね。大学への憎悪は未だ消えません。

 ところで、集合地点兼バスの呼び出し地点はキャンパスでした。全員がまあ集まれる距離にあることが確約されていますから、そこに設定したのは合理的です。でも、私の家からはとても遠いんですよね。現地集合⋯⋯は少し寂しいですから、数か所の回収地点を設定して、それぞれが最寄りのポイントから乗れるようになればいいですね。遠距離バスとかそんな感じじゃありませんでしたっけ。

 宿に近づいたところで、ちょうどWBCの決勝戦が佳境でした。ひとりの端末をみんなで囲んで観戦し、宿に着けばひと部屋に男どもが全員集まってテレビを囲みました。昭和のオリンピックもこんな感じだったのかもしれないと思いました。優勝の瞬間、みんなで喜び合ったのは実によかったですね。

 宿には体育館も付いていて、そこでスポーツ大会をしました。昔は登る機会がほぼなかった体育館の2F*1にも貸し切りなので登り放題です。

 この歳になると、こういった機会でもなければ体育館に入ることもスポーツをすることもありません。ドッジボールなどとても久しぶりのことで、ボールがふたつ投入されている時に最前線で片方を持ったまま相手方と睨み合っていたら、投げたタイミングが同じになった上に双方のボールがぶつかって終わりました。

 

 翌日は富士急ハイランドに行きました。実はこの歳まで行ったことがなく、舞浜など比べ物にならないレベルのジェットコースターとお化け屋敷があるという認識です。強いジェットコースターとなるとユニバのものが限界ですから、とても不安でした。

 ところが、当日はかなりの雨でした。当然、ジェットコースターが動くはずもなく、ほぼすべて休止状態です。これが乗る機会と覚悟していたので逆にちょっと残念な気分です。

 しかし、嬉しいこともありました。就活で参加できなかったはずのスネークが合流したのです。聞けば、ここだけ参加するとのことでした。途中から参加なら私も以前やりましたが、途中だけ参加とは驚きましたね。

 この天気でも営業しているのは、やはり屋内型のアトラクションです。ちょうどエヴァとコラボしているというアトラクションがあり、数名とそれに乗ることにしました。

 乗ってみて初めて判明したのですが、この富士飛行社というアトラクションは、いわばジェネリック・ソアリンです。座席が宙に吊られると、スクリーンに包み込まれているような状態になるということですね。

 ソアリンがのんびり遊覧飛行といった感じだったのに対し、こちらは使徒襲来中の第3新東京市を飛び回るので、動きにもより激しさがあります。落ちてくる瓦礫や使徒の攻撃を避け、エヴァの周りを旋回します。完成度はかなりのものでした。

 そうそう、発進シークエンスもきちんと作り込まれていました。エヴァが好きな人はもちろんですが、エヴァは知らないけどシークエンスは普通に好物というオタクが乗っても楽しめるのではないでしょうか。

 ここでの同行者たちは温泉に行くことにしましたが、わたしは戦慄迷宮組と合流して他のアトラクションにも乗ることにしました。結局、戦慄迷宮には乗らなかったのですが、これってどれくらい怖いんでしょうね。他の人にもわかるくらいビクッてしてそうです。

 とはいえそもそも営業中のアトラクションが少ない上にあまり時間がない*2ものですから、乗ったのはコーヒーカップでした。

 宙ぶらりんに時間が余り、ゲートのあたりで自由時間にしました。動かないジェットコースターや土産物屋、もしくは屋根の下のベンチで時間を潰すフェイズです。

 私は土産物屋を見ていたのですが、一角に人間ひとつ分の大きさをしたドアのない開口部があって、そこから外が見えていました。そこにスネークがいたのです。

 スネークは片方に背中を預けて空を見上げていました。枠で切り取られたその姿はまるで絵画のように美しく、曇天を見上げる姿のなんと綺麗なことかと思いました。

 翌日、最終日は山に登りました。登ったといってもケーブルカーですが。河口湖かもしれない湖に面しており、遠くには昨日いた富士急ハイランドも見えます。この日はいい天気でしたから、昨日は乗れなかったジェットコースター類も元気に動いているようです。

 ケーブルカーの駅があるのは山頂ではなく、そこからほどほどに道の体をなしている山道を10分くらい登ったところに山頂はあります。山頂には木がいっぱい生えているので見通しは悪く、ケーブルカーのあたりの方がいい景色を見ることができましたね。

 この山、どうやらかちかち山のモデルになっているらしく、そこかしこに兎と狸のモチーフがあります。たぬきの復讐みたいな名前で兎肉料理があってもよかったと思います。狸鍋も麓ならゆっくり食べられそうですし、出店して欲しいものです。

 

 さて、こうして局旅行は幕を閉じました。いつもの同期旅行はどうしても友人同士でのプライベートな旅行という印象が否めませんから、これがはじめての大人数かつ公的な(厳密な公式行事ではありませんが)旅行となった訳ですね。その感慨もあって、とても素敵な思い出になりました。

 曇天を見上げるスネークや山の上からの景色、おいしい宿の食事など楽しい記憶はたくさんありますが、正直に申しますと、やはり一番は宴会です。

 宿の地下には宴会場があり、我々はそこを貸し切っていました。宴は両夜とも行われ、かなり遅くまで興じていました。

 同期とならまだしも、後輩と酒を飲める機会はそうありません。ましてや、今回は店ではない上に他の客もいませんから、とてもすばらしく貴重な経験でした。

 特に、後輩のひとりが印象的でした。買い出し班がセレクトした酒の中にはウィスキーの中瓶があり、それを私と後輩とのふたりで空けたのです。

 そのあとは他の酒を飲んでいたのですが、宴の途中で追加の買い出しに行ってくれる者がいました。そこで後輩と相談して「ウィスキーの小瓶ならいけるだろう」という結論になったのでそれを注文しました。

 ところが、その買い出しに行ってくれた者は酒のことをあまり知らず、同じ中瓶を買ってきたのでした。ひとしきり笑ったあと、またその後輩と共に飲み始めます。

 残念なことに、そこからの記憶はあやふやです。いつのまにか私は寝てしまったらしく、4時くらいの解散時になってやっと覚醒しました。後輩の方はまだ生きていたそうですから、私ほすっかり恥を晒すことになったのでした。今度、また一緒に飲みたいものです。吐いたり口を滑らせたりもせずにただ寝るのは本当につまらないことですから、それは回避できるようになりたいですね。

 

 

 

<アルバイト>

 すっかり書き忘れていましたが、じつは12月に新人がひとり入っていました。今回も若くはなく、アルマンくらいの歳かと思われます。

 ところが、入って間もないのに1月頭をソロで任されることになり、すでにダーウェントに不信感を募らせているのでした。ダーウェントは、新人が業務への不安を訴えているのに「それくらい覚えられるでしょ」で済ませるのをやめた方がいいと思います。

 この新人も今ではすっかりここで働くことに慣れています。今、「この店で働くことに慣れる」というのは、「新入社員に苛ついて私へ愚痴を聞かせるようになる」という意味です。

 そんな訳で、出勤の度に私へ新入社員の愚痴をぶつけてくるのはもはやアルマンだけではないのでした。一方、私はここに書くくらいしかできません。もっと若者が欲しいものです。

*1:狭い通路が壁に沿って並んでいて、ライトや窓やカーテンを操作するところ

*2:迎えのバスは夕方くらいに手配されていました

生存報告: 2023-2

 がまずみは私なのかもしれませんね。

 

 

<学校>

 幸か不幸か、今年は2月まで課題が持ち越される授業はありませんでした。後はただ、成績発表までたくさんの不安点に怯えるばかりです。落単は避けられそうにありません。いくつなのかが問題です。

 ある授業では、本の情報をカード化する技能が扱われていました。出版社や形態などの必要な情報を得て、適切にまとめる能力が問われます。もうデジタル化の進んだ現在では不要といえば不要な技術ですが、それでも資格の取得過程には残っているのですね。一種の歴史のようなものと思えばいいのかもしれません。

 その授業は試験で成績がつくことになっていました。もちろん試験内容はカード化です。教科書やノートの持ち込みが可能だったのですが、肝心の教科書をじつはまだ買っていませんでした。

 大学では、教科書の予約購入が学期のはじまりにあります。それを面倒がったことで教科書なしで授業が始まり、他人に借りたり読まずに切り抜けたりで生き延びるうちに、教科書なしで期末試験まで来てしまったのです。こういうことははじめてではないのですが、テストの時にはやはり困ります。持ち込み可能ということは持ち込むことを前提として問題が作られていますからね。そこに徒手空拳で挑むのは自殺行為です。

 知り合いの女もそうでしたが、彼女は大学の図書館で借り続けることにより解決していました。期限が来ても延長したり借り直したりすればいいだけですし、まず他の利用者が予約することはありません。賢いものです。

 所属キャンパスの所蔵本はこの女が借りていますし、本国キャンパスで借りようとしたら延滞ペナルティ*1があることを思い出しました。結局、本国でコピーして試験に臨みます。

 試験問題は、本の情報だけ渡されて、それを適切な形式にまとめるというものでした。きちんとその規則が書いてある部分をコピーしてきたので、ひどくつっかえることはなく解けています。ところが、問題用紙に答えを書いておいて*2あとでまとめて解答用紙に書き写そうとしていたら、途中で試験時間が終わってしまいました。当然、解答用紙はまったくの白紙です。

 大学って、場所にもよるのでしょうけど教室に時計がないんですよね。あえて置いていないのか、どうせみんな各自で確認できるだろと重要視されていないのかはわかりませんが、いつもの授業ならまだしもこういった試験の時(そういえば入試もそうですね)は腕時計が必要になってきます。実は腕時計を付ける習慣がないので、こういう時は忘れて勘で戦いがちです。

 答案を回収に来た先生も、名前や学籍番号だけ書いて白紙の惨状を前に言葉を失っていました。「書き写すの忘れちゃって」と自己申告すると、少し納得したように去っていきました。正直、重めの授業だったので、これを再履修になったら嫌だなぁと憂鬱です。来年にこれを取り直すということは、卒業間際の後期に受講するということですからね。

 恒例の試験監督アシスタントのアルバイトは、なぜか5日間当選していました。どういう仕組みになっているのかはやはりわからないままです。もう説明会に出る必要がないくらいの熟練度はある私にとって、もはや気になるのはたったふたつだけ。同僚と「彼」です。

 結論から記すと、今年も同僚には恵まれませんでした。すぐ帰る女ばかりです。昼食に至っては、どの日もひとりで食べました。来年もこうでしょう。

 最終日の女だけはまだ話が通じるようでしたが、今年の試験監督本体は比較的恵まれていたのに最終日だけ恵まれませんでした。バランスを取ったつもりでしょうか。配属教室は中型で、ペアがふたつ配備されています。

 ヒトを見た目で判断するべきでないというのはわからなくもありませんが、ぱっと見の振る舞いでフォースが「こいつはどこか妙だぞ」と密かな危険を知らせてくることはたまにあります。この試験監督もそうでした。はっきり形容できないのがもどかしいところです。

 我々学生が座る椅子は前方にふたつと後方に4つありました。もうひとつのペアも我々も揃って後ろに座っていましたが、予鈴の直前になって「片方は前に来て」と言われました。まだ深く知らないとはいえ女にそれを任せるのも気が引けて、私が前に座りました。

 前に学生を座らせるのは、誰のためにもならない悪しき風習です。学生はうつらうつらすることもできませんし、受験生にとっても前方すぐのところからずっと見つめられていては落ち着かないはずです。公正な試験のためにも、廃止すべきであることは明らかでしょう。

 もっと許せないのは、前に座ったのが私だけだったということです。いかにもそういうルールだからみたいに言われたものだから従いましたが、ただの自己満足だということがはっきりしました。やっぱりこのアルバイトは同僚と上司のガチャです。現実社会と同じなのかもしれません。嫌ですね。

 ある日は、椅子が前にあったので我々が前に座っていたところ、試験監督から「もし寝たら問題だから見られないよう後ろに行っておいて」と言われ、堂々と後方に移ることができました。この配慮は功を奏し(寝ました)、試験監督本体の采配力や経験値に敬意を表しました。これを見習って貰いたいものです。

 なお、この日の同僚は名前がカタカナでした。碇シンジみたいなのではなく、外国名の中にぽつんと日本語の名が混じっているような感じです。私の知り合いにはそういうタイプがひとりもいなかったので、割り当て表で見てから少し警戒していたのですが、いざ顔合わせしてみればとても流暢な日本語です。とても長い睫毛が印象的で感じのいい女でした。

 さて、もうひとつの問題である「彼」のことを読者諸兄は覚えておられるでしょうか。もう2年も前のことですが、はじめてこのアルバイトに参加した私には友人が誰もいませんでした。そこで同じ教室に配属されていた3人に声を掛けたのです。そのひとりが「彼」でした。せっかくできた友人ではあったものの、女の先輩が「バレンタインの買い物に行くから」と解散しようとしているのについて行こうとするという奇行を披露しており、それきりの関係でした。キャンパスも同じだったのですが、会うことはなかったのです。

 しかし、去年のあるシフトにおける説明会の最中、LINEで連絡をよこしました。面倒だなと思って私は無視していたのですが、その日の相棒と話しつつ配属先に向かっていると「彼」は突然私の行く手に立ち塞がり、「俺のこと覚えてる?」と聞いてきたのです。当時の相棒はちゃんとにこやかに話してくれる女の後輩だったんですよ。人が話しているところにずかずかと踏み込んでくる「彼」のせいで、彼女は引っ込んでしまいました。どうしてくれるんですか。

 その日の試験は午前だけだったので、午後は待機という名目の自由時間です。その間も、「彼」はずっと私に話しかけ続けました。せっかく横の席までは来てくれた*3相棒も、気を使っているのか引いているのか話しかけてはくれません。

 会話の内容も、「俺はいつも相手が先輩や先生だろうとはっきりものを言う。でも俺はいつも正しいから誰も言い返せない」というようなことを誇らしげに語り、隣で絵を描いたり勉強したりしている相棒を見て「何してるのか聞いてみてよ」と私に言うのです。たぶん相棒にも聞こえてる声量で。これを聞いたある者は「イキり大学生」と表現しました。その通りだと思います。

 退勤の時間になると、「彼」は私の相棒に馴れ馴れしく挨拶をして帰っていきました。私は彼女に謝ることしかできませんでした。彼女となかよくなれていたらどんなによかっただろうと今でも思います。無礼だろうと詮索することはしなかったのでジャンルは不明ですが、絵を描くというのは貴重な特質です。

 その後、委員会の先輩を見かけて私が挨拶していたのに、「彼」はメンヘラのごとく私を引っ張って行ってしまったということがありました。これを最近読んだ漫画になぞらえ、以降は「がまずみ」と呼称します。花言葉は「私を見て」だそうです。

 そんなことがあったので、今年も私はがまずみからの連絡が来るのではないかと恐れていました。そっと初日の割り当て表を見ると、悲しいことにがまずみの名前があります。悔しいことにもう覚えてしまったのです。なぜかその日に連絡は来ませんでしたが、無事にキャンパスを去るまでずっと周囲を警戒していました。

 結局連絡はなく、翌朝の私は安心して出勤しました。ところがあともう少しでキャンパスに着くというところで突然肩を叩かれ、嫌な予感と共に振り向くと⋯⋯なんということでしょう。そこにはがまずみがいました。恐れていたことがついに起こってしまったのです。

 会話の調子を適当に合わせていると、その場は逃げきれました。配属された号館が別だったのです。これで今日含め残りのシフトすべてがまずみにつきまとわれるのかなと憂鬱になっていたのですが、がまずみと会ったのはこれが最初で最後となりました。彼にどのような心変わりがあったのかは不明です。

 がまずみとの繋がりはLINEだけです。そもそも私は自分の顔をアップすることはありませんし、ふたりで撮った写真もないはずです。前述の通り普段は会うこともありませんから、本当に1年前に会ったきりということになります。そんな相手を背後から特定できるとは、恐ろしい能力だと思います。

 別の日には、委員会の同期と酒を飲みに行きました。同期は同期でも、私やスネークのいる広報局とは違う総務局という部署の長です。これまでほとんど接点はなかったのですが、以前にじつは波長が合うのではという疑いを互いに抱いていました。

 実際にもその通りでした。広報局の者たちはほとんどしない女の話もしました。彼もちょうど振られたばかりだったらしいのですが、その相手は同じ総務局の後輩だったというのです。本祭2日目の終わり、つまりその年の大学祭最終日には執行部というおえらいさんに向けて後輩から花束や言葉を贈るちょっとした儀式が恒例となっています。それは今年もあったのですが、彼に花束を贈った女がその相手でした。

 その儀式はもちろん大勢の前で注目されつつ行われます。そんな中、彼女は感極まったように彼に固く抱きついたというのです。その様子はあらゆるアングルから撮影され、後日局内グループにアップされていたといいます。また、その後も彼女は個人的に今までありがとうのメッセージを送ったそうです。

 彼はそれらの様子を考慮して、彼女には好意があると判断しました。私だってそうします。そして彼から告白したのですが、「先輩としてしか見られない」と一蹴されてしまったというのが事の顛末でした。

 なお、彼と波長が合うような気がしたのはコミケにVの企業ブース目当てで行っていたと聞いたからで、実際にサブカルには詳しかったのですが、私が「NTRBSSも地雷だ」と話したところ、BSSは知らなかったらしく新しい世界を教えることになってしまいました。これがよかったのかどうかは不明です。

 がまずみとは学部が同じらしく、彼もがまずみのことを知っていました。さらに同じITA*4という学内バイトをしていたそうですが、規則的にはグレーゾーンながら多くのバイトがしていたという勤務中の携帯端末の使用に対し、わざわざ先生に密告して同僚を泣かせたことがあったと聞きました。やっぱり同じ人物で間違いなさそうですね。

 さらに、この仕事についても少し詳しくなりました。なんでもオープンキャンパス時のボランティアなどいくつかの団体がスタッフとして働いているそうです。校門での受験票確認や試験終了後の帰宅列管理など、我々とは別のところです。人手不足の日は我々と同じ試験監督補助として働くこともあるものの、合計ですべての日に働けるそうです。入っておけばよかったと思います。

 彼とまともに話したのはこの日が最初でしたが、なんだかわかりあえた気がします。また飲みに行きたいものです。もっと早く知りあえていたらよかったのかもしれませんが、これも局間の交流が希薄なせいです。後輩の世代では、ぜひともここらへんを改善してもらいたいものですね。

 

 

 

<アルバイト>

 試験監督補助を入れたので今月は少なめです。いつ出勤しても新入社員の愚痴を聞かされるのはどうにかならないのでしょうか。

 その新入社員ですが、どうやら辞めることを辞めたようです。理由は不明ですが、転職先が見つからなかったからという憶測がアルバイトの中ではなされていました。一瞬だけ見えた希望の光が無惨にも散っていったことで、アルマンは珍しく傷心気味です。

 

 

 

<Steam>

 定期的に海賊もののゲームがプレイしたくなることってありませんか?ありますね。厳密には海賊ものでなくても帆船が出てくるのならいいのですが、マストのある木造帆船で古き良き戦いをしたくなることがヒトにはあるものです。かつてそんな衝動に襲われて購入し積んでいた『Abandon Ship』をプレイしました。

 まだプレイしたのは基本らしいストーリーモードだけです。邪教から逃げ出した主人公と、クラーケンや狂信者たちを従える悪の教団との戦いが描かれています。ワールドマップは点と線で繋がっており、その点のひとつひとつが正方形のマップです。その正方形の中を航海し、様々なイベントに遭遇したり港に立ち寄ったりしつつ、メイン目標を目指すという流れです。

 ローカライズのクオリティは高めです。難解な感じもしますが、言い回しはかなりいいセンスだと思います。ところどころに怪しいところや誤訳っぽいものが残るのはご愛敬といったところでしょう。全体的に陰鬱とした世界観が表現されています。

 冒険の道中では、メインクエストやサブクエストに加えたくさんのランダムイベントが待ち構えています。それらと遭遇するたびにプレイヤーはどう対処するのかを選択します。よくあるのが困った状況にある船で、海賊に追われている船や食料不足で死にかけている船と出会うのも日常茶飯事です。

 選択の結果も様々です。海賊に追われている船と遭遇したのなら、海賊がこちらへ「そのまま黙っていれば分け前をやろう」と信号を送ってくることがあります。そのまま哀れな犠牲者を見殺しにして金を貰うのもよし、海賊船を沈めて感謝されるのもよし、といったところです。

 そうして突入する戦闘は大忙しです。船上の状況は目まぐるしく切り替わります。クルーそれぞれの適正に応じてその都度指示を与え、装填や修理、消火などのタスクを処理しなければならないのです。一時停止中にも指示はできるのが救いです。

 砲撃の位置は細かく指示できます。それによって船体の各区画にダメージが蓄積され、ひどいダメージを負えばその区画が機能しなくなってしまいます。マスト区画が大破すれば敵船との距離を調整できなくなり、砲列区画が大破すればそこからの砲撃ができなくなるといったように、戦闘に大きな影響をもたらします。刻一刻と変化する戦場で、限られたクルーと時間をどのように割り振るかがこのゲームの醍醐味といったところでしょうか。

 片舷斉射で敵船が木の破片を散らしながら沈んでいくのも、狙撃でひとりひとり敵クルーを始末していくのも楽しいものです。敵船本体にはダメージを与えずにクルーだけ始末して拿捕する方が金は稼げるのですが、たまには体当たりでとどめを刺したり蜘蛛入りの臼砲みたいな個性的な兵装で戦ってみたりもいいものですね。

 ところで、ゲームだとしてもどうにも心が痛むのでこういうゲームでは善人プレイを心掛けているのですが、妹にこのことを話すと「無理しなくていいよ」と言われました。誰も信じてくれないのが悲しいところです。

 

 

 

<PS4>

 フリープレイで手に入れた『マフィア コンプリート・エディション』をプレイしました。ずっとずっと昔に発売されたゲームのリマスター版のようです。

 アメリカの都市ロストヘブンでタクシー運転手として働くトミー・アンジェロは、ある夜ふたりの男に脅されてカーチェイスをすることになります。ロストヘブンには抗争を続けるふたつのギャングファミリーがあり、ふたりはサリエリ・ファミリーの構成員でした。どうにか追手から逃げ切りボスのサリエリから謝礼を貰うトミーでしたが、後日敵対するモレロ・ファミリーにタクシーを破壊されてしまいます。復讐を誓い力を求めるトミーはサリエリ・ファミリーの一員となり、裏社会へ足を踏み入れるのでした。

 トミーの出自もあり、ストーリーでは頻繁に車を運転します。設定でカットすることもできるようですが、目的地までの移動や仲間の送迎、現場からの逃走などほぼすべての移動を自分で運転するのです。交通ルールを破ったり事故を起こしたりすると警察に追われてしまいます。模範的市民となるために車道の左を運転していて気づきましたが、ここはアメリカでした。

 ロストヘブンはかなり広く、昔のゲームとは思えないくらいです。大都市の中から高級住宅街、郊外の田舎道まで様々なところで車を乗り回します。どこかで車を盗んで交差点の真ん中まで運転し、おもむろに停めて立ち去ると渋滞をのんびり眺めていられます。路面電車だって足止めできますよ。

 警察や敵対するギャングとの戦闘もあります。この戦闘が曲者で、かなり難易度は高めです。体力の自動回復などという甘ったれた要素はなく、回復アイテムもごく限られたところにしかありません。殺した敵のものを奪いつつ戦っても弾薬は心許なく、常に厳しい戦いを強いられます。

 また、ストーリー以外にフリーライドというモードがあり、ロストヘブンの中を自由に探索できるのですが、ストーリーで入れた建物はほとんど入れません。フリーライドモード限定のミッションはあるものの、本当にただ運転するだけになります。ストーリー中に訪れた高級住宅街で高級車を失敬しようとしたもののどこの家にも入れず、仕方なく通りがかりの車を奪い取って帰りました。この車も帰り道にぶつけて傷がついてしまったので、近くにあった駐車場の車にぶつけて乗り捨てました。

 ストーリーの評価は高く、禁酒法時代のギャングの物語を楽しめます。元一般人のトミーがポーリーとサム(最初にトミーのタクシーにカーチェイスをさせた張本人です)と共に立派なギャングへと成長するのです。3人でトレンチコートに帽子を被ってトミーガン(トンプソン機関銃やシカゴ・タイプライターとも呼ばれます)を持つと無敵な感じがします。

 そういえば、トレンチコートなら私も持っています。どういう名前なのかはわからないものの、トミーが使っていたような帽子を合わせたら合うのかもしれません。帽子なんてしばらく買ったことはありませんでしたが、ちょっとくらい洒落たものがあっても楽しそうです。

 ゲーム的に仕方のないことではあるのですが、トミーは戦闘や暗殺を何度もこなしているので「そういう役」という印象が付き、無茶な任務にも単身で投入されるようになります。ほぼ使い捨てみたいな無茶な任務でも生きて帰ってきますからね。裏社会で伝説扱いされてそうです。

 こういう誰かの部下として戦う物語、組織内でもトップクラスの戦闘力を得た後ならボスを倒して新たな支配者となることもたやすそうなのにどうしてそうしないんでしょうね。裏社会に足を踏み入れた以上、安らかに死ぬことが難しいというのは明らかでしょうから、トップとなるのがいいと思います。

 あと、ボスが殺された場合ってどうするのがいいんでしょうね。報復すべきか、主を変えるべきか、それとも相手も殺して自分がボスになるべきか。悩みどころです。

*1:延滞したのと同じだけの日数が返した日から経過するまで何も借りられなくなります

*2:ミスすると書き直しが面倒なのです

*3:多くの女はどこかここではないところへ姿を消してしまいます

*4:パソコンルームで学生からのオフィスソフトの質問に答える仕事です