ウルリヒトゥレタス

だいたい生存報告

[2021] 第5次中間報告

キャンパスに初めて来たのは去年の健康診断で、その後は後期まで来なかった。当時はどのアルファベットがどの棟を指しているのかわからず、毎回地図を見なくてはならなかったものだ。慣れてきた今では、5回に3回程度見ればいい。

学内にあるのは未知の施設や1回入ったきりの施設、卒業まで縁がなさそうな施設など様々だが、最近は教室のある棟と図書館、そして学食が主な生息地だ。

大学の学食は弁当屋ではない。コンビニでもないが、レストランでもない。ましてや、アルジェリア料理の専門店では断じてない。似た形式の店は社食くらいしか思いつかない。ちなみに、社食とは学食に似た形式の店だ。

初めて学食に来たのは昨年末、PCスキルの単位を習得すべく登校した際のことだ。何度か利用したが、その頃はほとんど誰もおらずひたすらに静かで快適な場所だった。ゆっくり過ごす余裕はなかったのが惜しい。メニューの開拓も試みたものの、初手のカツ丼が気に入ったためプロジェクトは全会一致で終了した。

進級後もよく利用している。時には昼食をそもそも抜くことで丸ごと浮かせることもあるが、友人からは「高校の頃と変わっていない」「ちゃんと食べろ」などと不評だ。

ところが、オフライン授業が始まってからの学食はすっかり様変わりしてしまった。あんなに静かだった空間は学生で埋め尽くされ、テーブルにはアクリル板が設置され、「テーブルやアクリル板を動かすな」の放送が5分おきくらいで流れている。

それでも愚かな学生は絶えず、アクリル板を回り込むように椅子を動かして複数人で会話に興じる者やアクリル板をどかす者、挙げ句の果てにはひとつの椅子にふたりで座る者などお構いなしだ。

学食側も対策に乗り出し、アクリル板が固定されたり「動かすな」放送と「感染予防をしろ、自分や大事な人のためだ」放送がCTなしでひっきりなしに流れるようになるなどの変化は見られたものの、学生に変化は見られなかった。どの道あんなアナウンスに効果などないのだから、流行りの曲くらい流せないか?

今日などは職員らしき人物が「黙食」のプラカードを携えて巡回し、目に余る学生を注意していた。だが、その職員がマスクから鼻を出していれば説得力も半減するというものだ。学生もその場だけは従うかもしれないが、職員が去ればすぐ元に戻るとしか思えない。

私は大人数用テーブル(とはいえ椅子は半分くらいしか配置されていない)ではなくひとり用かせいぜいふたり用のテーブルしか普段は使わないため、それらのみ配置されている区画で今日も食べていたのだが、巡回の職員(前述の者とは別個体だ)はこちらにもいた。

黙食どころか孤食の実践に余念がない私は当然何も言われなかったが、それくらい遠くから見てわからないか?さっき屋外席にひとつのテーブルを10人以上で囲んでいるグループがいたが、そっちを真っ先に散らすべきだとは思わないのか?

あらゆる人々が協力しこの国難に立ち向かうべき局面(諸説ある)であるにもかかわらずそれを気にも留めない学生、彼らに対し有効打を出すことができない上に油淋鶏をメニューから外した学食、現状を知ってか知らずかまだオフライン授業に性懲りもなくこだわる大学のすべてに呆れるばかりだ。

そう嘆きつつ割り箸を割る。今日はラーメンフェアなる企画で味噌豚骨ラーメンが出ていたのだ。先週は辛味噌ラーメンだったので諦めたが、今週なら大丈夫なはずだ。味噌と豚骨の組み合わせを食べたことはないが、さすがに辛いことはないだろう。

期待に胸を膨らませ麺をすすると、味噌よりも豚骨よりももやしについていた辛い何かがはるかに強かったことがわかった。これは罠だ。結局、冷水機と席を5往復してやっと食べ終えた。味噌も豚骨も信じられなくなった。どこかに辛いもやしを隠しているかもしれないのだ。もはや安全なのはカツ丼と水しかない。