ウルリヒトゥレタス

皐月川納涼床

[2021] 4月に書く、3月の生存報告

「ロザミア」で検索するとガチャ報告とかいうノイズしか出てこなくなってつらい時期ですね。「念願のロザミアさんお迎え!」みたいなのならまだしも、「█本目でしたー」みたいなのだとプッツンまっしぐらです。ここの読者に与力十手を無料ガチャで引いた不届き者はいないと信じてますよ。

本来、書き出しは「東京へ向かうバスの中でこれを書いています。いつもはタイトル通り次の月に移ってから書き始めているのですが、今回ばかりは当月中に書き始めました」あたりにしたかったのですが、やっぱり書かないままでした。3月中に書き始めることも考えていた理由としてはやはり旅行のことが大きいです。3月中に書き始めなかった理由としてはやはり面倒だったことが大きいです。

最近では「あったかないか」、つまりそもそも思い出せるかどうかということ以外にも「いつあったか」、つまり事柄は思い出せてもその時期が思い出せるかどうかということも心配しなくてはなりません。前回の生存報告で書いた「実写版『約束のネバーランド』を観た」と「フォーを食べmaimaiをした」は別日ではないかという指摘を同行者から記事の公開後に受けました。まったくもってその通りです。記憶の混濁が深刻な域に達しているのかもしれません。混濁が起こらないよう少しでも早く書き始めようと考えたのでしょうが、できるはずがありませんでした。当事者諸兄、誤った記述を見つけ次第報告してくれるとちょっと嬉しいです。

当月中に書き始めた方が賢いのではという可能性が各所から指摘され、私もそれへの切り替えを割と考えています。それでもまた今月もこうしてるのはひとえに当月中に書き始めるのが面倒だからです。いつだって同じですけど。骨子くらいは書いてみてもいいかもしれませんが、それもいつまで続くやら。

切り替えといえば、ごく一部を除いてウルリヒトゥレタスではなるべく丁寧語で書こうと心掛けてきました。友人の誰だったかが「丁寧語で書かれてるけど所々にそうでないものが混じる」ブログの例を課題か何かで探していたのを見かけたことがあります。幻覚や覚え違いである可能性は否定できません(そもそもこれを何に使うというのでしょうか)し、だからどうなのだというとなんでもないのですが、どうせこれへの逆張りをしたくなったとかそんなものでしょう。それはそれとして、最初から最後までレポートとかで使うような丁寧語ではない書き方で書いてみるのもありかなとは思っています。いずれ出てくることもあるでしょう。

と書いていたように、丁寧語ではない書き方(常体と呼称するそうです)の記事はこの生存報告の後に上がるはずでしたが、さる筋からの圧力により公開を余儀なくされました。駄文を楽しみにしてくれるのなら悪い気はしませんが、その者に中間報告の存在を明かしてしまったことには後悔の念が拭えません。「こんなのを書いたけど完成してからなんだか公開したくなくなった」とうっかり漏らしたのが運の尽きでした。

以前「[2021] [2021] ████」とするとちょうど[2021]がひとつだけ記事タイトルに残るというようなことを書いていましたが、実際のタイトルでは「 [2021] ████」と頭の部分にひとつだけ半角スペースが入っていたことが判明しました。試しにそのスペースを消して下書き保存すると、[2021]はひとつもなくなっていました。半角スペースのおかげで認識されなくなっていただけのようです。一旦存在に気がつくと飛蚊症みたいに気になりますが、ぱっとみはわかりにくいのでもうこのままでいこうかなと諦めています。いい代案が見つかればそのうち変えるかもしれません。[]とか【】とか〔〕みたいなものでいいのがあれば教えて頂きたいところです。後発の生存報告で使われていたものを参考に#2021も考えましたが、逆輸入もどうなの?となって審議中です。

今回は30000字でした。旅行の記録があった割には少なめ説が提唱されています。もう37000字が書けることはないのかもしれません。すでにリアクションペーパーの100字にも苦戦しています。

そうこうしているうちに、まさかまさかの4/30になってしまいました。期末レポートでも書いてるんですか?中間報告なんて書いてる場合ではありません。2020年度の大学生活総括も書き進めてはいますが、確認したところ書き始めたのはなんと1月でした。その当時から状況は(悪い方に)二転三転しており、もはやすっぱり消して書き直した方がいいのかもしれません。

 

<学校>

なんにもありませんでした。入学式を除けば、ですが。

人体実験だの言われていた例の入学式ですが、どうせやらんだろと思っていたら決行してしまいました。正気なんですか?

定期を家に忘れたトラブルこそあったものの、比較的余裕がある時間帯に到着しました。校門付近はスーツを纏った同期たちとその親に埋め尽くされています。結局、外部に入学式看板はなく、親たちが立ち入れないキャンパス内にありました。私は自撮りするタイプではありませんし、撮ってくれる誰かもいなかったのでこの存在を知るのは後述のニュースでのことです。そもそも写真に写ること自体好きではありませんが。

案の定、親しい者たちのグループが散見されます。むしろ、私以外みんなそのようにすら見えます。幸いにも、まもなく入学式が始まるとのアナウンスがありました。ぞろぞろと会場に向かいました。

入口では今回のプログラムとクリアファイルが配布されました。クリアファイルには弊学の有名な部活がデザインされており、部員や顧問、スローガンがプリントされています。せめて校章やモットー、校舎の写真といった良識あるデザインのものは選べなかったんですか?見知らぬ者どもやくだらないスローガンが印刷されたものを貰ったところでどうしようもありません。こんな時まで宣伝は控えて頂きたいと切に思います。第一、特定の部活を優遇してることにならないんですか?これ。

着席ししばらくすると、後ろの方で学生たちが詰まっています。席がもう埋まったのでしょう。とっとと別室にでも行けばいいんです。いい気分です。

と思っていると、彼らは一旦姿を消し、今度は2階席に現れました。彼らに見下ろされる形です。悪い気分です。

そうこうしているうちに入学式が始まります。終わりました。派手な演出も奥深い訓示もなく、後に残ったのはどうして讃美歌は2つも歌ったのに校歌は歌わなかったのだろうという疑問だけでした。

広い空間に集められて座り、前の方にいる誰かの話を聞くというのは高校以来の経験でした(塾でも激励会や祝賀会といった形式であったのかもしれませんが、辞めてたので未経験です)。スピーチの内容ですが、「この学校に入ったのは神の思し召し、この災いも試練」とか言ってました。そんな神なら願い下げです。また、別に宗教担当の者もいて、何を言ってるかはよく聞こえませんでしたが、熱心そうなことだけは伝わってきました。

あっという間に入学式は終わり、やっぱり入学した実感もないままに退場です。長居しても何かが起こるはずはないので、とっとと帰りました。帰った後で気がつきましたが、そういえばTwitterでSWを介して繋がっていたフォロワーが同じ学校で同じ学年だと判明していたのでした。すっかり声を掛けたり待ち合わせしたりするのを忘れていたのです。惜しいことをしました。また機会があればいいのですが。

その夜、ニュースで同時多発的に行われた1年越しの入学式が取り上げられていました。ニュースに映るのは派手そうな陽キャばかり。入学式看板と写真を撮っている映像で、初めて私はその存在を知りました。

その後にはインタビューや去年の実情が映されたのですが、「去年はオン8割オフ2割でしたが今年はオン3割オフ7割を目指しています」とそこでは語られていました。去年のオフライン授業が2割は盛りすぎなのではないですか?私の体感ではせいぜい1割(四捨五入方式を採用した場合)かそこらです。おそらく、キャンパスが封鎖されていた前期はカウントせずに済ませ、さらに実験があるため対面が少し多めな理系学部のみを参照したのでしょう。

これではっきりしました。奴らは宣伝だけを考えているに違いありません。また何かパフォーマンスを目論むのではないかと今から心配でたまりません。

 

<アルバイト>

3月の後半には合宿免許に行こうと思っており、その旨を伝えておいた結果として月の後半はシフトが空白だったのですが、定員で合宿に申し込めなかったおかげで本当に何もなくなってしまいました。

例のサンプルはまだ使ってないしなんなら未だに行方不明なので、「もうさすがに使ったよね?」「まだですね」「は?」とならないようアルマンとシフトがかちあわないか戦々恐々として過ごしていました。なんだかんだシフトが被らないのでいろいろと助かっています。

割と穏やかで平和な今月でも完全無欠の平和とはいかず、以前使っていたポップをまた使いたいがどうやら捨ててしまったらしいという状況に陥ったことがありました。アルに見せてもらった資料写真を元に、私はExcelを用いてフォント、サイズ、文面とあらゆる点で過去のものとまったく同じであると言っても過言ではないようなものを作り上げることに成功しました。なんならサイズ違いの複数パターンまで作成したのですが、次の出勤日にはフォントが違うものが掲示されていたのです。

アルによると、アルマン作のものとのこと。携帯で作成したものを送り付けてきたようです。よく見るとはしっこにペイントソフトのロゴマークが見えます。試用版の証です。作成速度では敵わないでしょうが*1、出来はこちらの方が上なはずです。もしかしてフォントの違いが判別できていないのでしょうか?

まっとうに自信があったものを却下されて少し落ち込んでいた私に、アルが「おまえにPC面での仕事をさせて存在意義を確立されるのが嫌なのではないか」と仮説を提唱しました。ありえっこないと笑い飛ばせないのがこの職場のつらいところです。それが本当なら由々しき事態です。いきなり存在意義を賭けた戦いが始まるとは思いませんでしたが、何か策を講じなければ相互破壊確証作戦が危ないかもしれません。

ダーウェントが本社の社員たちを引き連れて店に姿を現した日もありました。ダーウェントは彼らに初対面の私を紹介したのですが、その際に「先週くらいに話した時、3回も笑ってくれた」と話していたのです。

特別親しいとまではいかない人に対しては控えめであるよう心掛けている私ではありますが、綾波のように思われているとも会話中に笑った回数をカウントされているとも思いませんでした。他意はないとわかっていますが、それでも少し不気味だなと思います。問題は、どうやら私が笑ったつもりでいても相手に伝わっていないパターンが多々ありそうなことです。意思どころか、感情の伝達すら困難なようです。

近くにあるいい感じの店を見つけた母親と妹がついでにオーバールックへの襲撃を思いついてしまったことがありました。「怯えて待ってな」と言い残して妹と親は出かけていきました。もはや何も手出しができません。この日、「もしかしたら親や妹が来るかもしれない」とこの恐怖をアルに打ち明けたのですが、アルはそれを聞くや否や店舗外でのあらゆる仕事を私から取り上げ、私の退路を断ちました。親や妹と一緒になって私を困らせ面白がろうという魂胆に違いありません。四面楚歌の気分です。結局、親と妹は店の前を通過したきりでした。いつ襲ってくるのかと怯える私を見て面白がっていたのでしょう。

そんなアルも今月で退職してしまいます。ダーウェントから免罪符マーク*2のバッヂを貰いましたが、それが外れる前の別れです。何かアルバイトに就きたい私と後釜いけにえを見つけたいアルとの利害が一致したことから始まったオーバールックでの勤務ですが、なんだかんだでかなり金銭的な面では助かっています。勤務し始めた後も、記憶力が心許ない不出来な新参者の後輩に根気強くいろいろと基礎を教えてくれたこと、世間知らずに処世術の簡単な手ほどきを授けてくれたこと、PC面で存在意義を確立する道を指し示してくれたことなど、職場でのことに限っても感謝の念は尽きません。それ以外も含めれば尚更です。寂しくなりますね。

その勤務最終日、たまたま店には特大タスクがあったためアルと私含むアルバイト一同は遅くまで勤務する羽目になりました。接客をしなくていい分私にはかなり向いていたように思いますが。退勤時には当初の想定を遥かに過ぎた時刻になっていました。私が終電に間に合うかをアルが心配する一方で私はそのことに思い当たりもせず、思いだしても確認はしませんでした。

ところが、アルが調べてくれたところではいよいよ帰れるか否かの瀬戸際だったらしく、乗ったのは最終電車でした。終電で帰ったのは初めてです。が、何とかなることもこれでわかりましたね。またアルへの借りが増えてしまいました。どうにか、少しずつでも恩返しができるといいのですが。

それにしても、退職する者を最後の最後まで使役するのはどうかとも思います。次の日には大事な用事があったそうですから尚更です。いつか私が退職する際のタイミングは、慎重に慎重を重ねて選ぶべきかもしれません。もしくは、適当に適当を重ねてフェードアウトルートを狙うべきかもしれません。

一応、面接時に「今はオンライン授業がメインだからまだいいが、いずれオフライン授業が増えキャンパスへ行くことになったら入る回数が激減したり辞めざるをえないかもしれない」とは伝えてあります。伝えた相手がダーウェントなのは不安要素ですが、そこは私の関知するところではない、とするのが無難です。私にとって。

そういえば、この日は遅くなったからかバックヤードの灯りが消え、真っ暗な中にピクトさんだけが緑に輝いていました。アルは『シロナガス島への帰還』を履修済みでしたから後ろからピィィィイイイィィィ*3しようかとも思いましたが、それはあまりにも人の心がなかったかなと思いとどまったりしました。この音源、フリー素材だとは思うのですがいずれは正確な名称とかを知りたいものです。

 

<いろいろ>

トムがコンパスカフェ開店の報を持ち込んできました。ちなみに、この者は日々の所業により複数の呼称を持っています。「トム・マールヴォロ・リドル」もそのひとつです。私は密かに「白鯨」か「モビー・ディック」もありかなとか考えています(鯨飲する規格外の存在なので)が、これは秘めておいた方がいいのかもしれません。実は『白鯨』読み終えてませんし。

トムの希望によりなぜか私の妹までが加わった集団で向かいました。現在は予約制とのことで、ふたり席のみが並んでいます。店内には大きなスクリーンがあり、コンパスキャラのテーマ曲PVらしきものがエンドレスで映し出されています。これがかなり大きい音量で、妹と同じ席に座ったのですが同じテーブルなのに声が届かず意思疎通をLINEに頼るはめになりました。アクリル板の存在やデフォルトの声量など他の原因もあるにはあるでしょうけど。

料理は案の定クオリティと値段がまったく釣り合っていない代物で、まぁコラボカフェであるからには覚悟していましたが、かなり痛い出費であったことは確かです。1品注文するごとにランダムでコースターが貰えるのですが、2品頼んだところなぜかトマスが2枚来ました。嫌いなキャラでないだけましですが、それなりにラインナップがあった中で被るとは想定外です。

食べていると、別のテーブルから女が近づいてきました。その者は突然「推しはいますか」と話しかけてきたのです。困りました。コンパスのキャラは基本的に①好き、②普通、③嫌い、④とても嫌いの4つに区分されます。もちろん最も比率が高いのは④です。オリジナルのキャラのほとんどはその④ですから、「嫌いなキャラはいますか」の方が答えやすかったのです。好きなのは大抵コラボキャラですが、それを挙げられてもあちらが困るだけでしょう。

私が答えに詰まっていると、ちょうど試合が始まったのでそれを見た女は帰っていきました。 助かりました。コンパスをやっていてよかったと初めて思いました。そもそもコンパスを始めていなければこんな状況にはなっていないのですが。後で他の者に聞いたところ、どうやらランダム系のグッズ交換を来店者間でしようと主導していたようでした。ひとつだけ買ったアクリルキーホルダーは忌々しい勇者でしたから変えてもよかったのですが、タイミングが悪かったようです。妹が受け取ることもないでしょうし(そもそも妹は物販に行きませんでした)、これどうしたものでしょうか。

ところでこの日は参加者の内ひとりがいとこに贈るホワイトデーのお返しとしてショコラ的なチョコ菓子(名前は忘れました。確かショコラがどうとか)を作ったとのことで、他の面々はそのおすそわけを頂きました。このことは事前に告知されていたので、なら自分でなにか作ってみるのも悪くないと変な気を起こしたのが運の尽きでした。自分で思い立って動くのはよろしくない。自発性は悪なのだと強く言い聞かせるべきでした。

いろいろ調べてみましたが、初心者にはよくわかりません。結局、妹はじめ有識者のアドバイスにより簡単そうな(初心者の「簡単そうな」はまったく信用に値しないことで知られています)生チョコなるものの作成が決定されました。レシピを検索したところ、あるレシピではできたものを冷やす時間が1晩とされ、また別のレシピでは1時間で十分とされています。都合がいい後者を信じることに決め、なら前日から準備することはないなと決行(&準備)は当日に回すことにしました。

当日の朝になってスーパーへと買いに走り、板チョコや生クリームを揃えて調理開始です。チョコをボウルに割入れ、鍋で沸騰直前まで加熱したクリームを注ぎ込んで混ぜます。ダマっぽいものがなくなってきた段階でバットに流しいれ、あとはラップをして冷蔵庫で1時間冷やしてできあがり⋯なのですが、普段料理をしないせいでバットの場所がわかりません。妹が少なくとも2枚以上のバットを同時に使っているところを以前目撃していますが、この時は1枚しか見つかりませんでした。とりあえず第1陣をこれに流しいれて冷蔵庫に放り込みます。

続いて第2陣の作成にとりかかりましたが、ここで重大な事実が判明します。レシピの最上段に書いてあった、「バットにクッキングシートを敷いておく」という指示を読み飛ばしていたのです。クッキングシートの役割はわかりませんが、おそらくこれがないとチョコをバットから剥がせなくなるのでしょう。第1陣は放棄せざるを得ないかもしれません。

とりあえずある程度の深さとたいらさをもった皿を見つけ、そこに無理矢理クッキングシートを敷きました。そこに流し込む第2陣の作成に取り掛かりましたが、こちらはなぜかダマが残ります。今回参照したレシピでは生クリームに保存した熱のみでチョコを溶かすようでしたから、溶かし切る前に冷めてしまった場合はどうすればいいのかがまるでわかりません。「ユセン」なる方法を以てしないとチョコは溶かせないらしいですから、この混合物を再度火にかけるのも躊躇われます。結局、少しわるあがきをしたのちにこちらも皿に流しいれ、冷蔵庫へと格納しました。

1時間後、おそるおそる両方を取り出してヘラですっと切ってみましたが、やっぱり固まり切った様子はありません。これでは粘度の高いただのチョコクリームです。これを生チョコにするにはあとどれくらい冷やす必要があるのでしょうか。そうこうしている内に、待ち合わせの時間が近づいてきます。帰ってきた妹に泣きつくと、「どうしてココアパウダーを振りかけていないのか」と聞かれました。

確かに、手順の最後の方には「ココアパウダーを振りかける」とあります。しかし、私は料理初心者です。初心者に多い失敗はいらぬアレンジを加えることだと聞いていましたから、さらに念を入れて装飾を放棄することにしていたのです。トッピングは上級者になってからやればいいだろうと思っていたゆえの選択でしたが、妹に指摘されたところでは、どうやらココアパウダーは衣のような役割を持っており、単なるトッピングではない(むしろ不可欠な工程である)とのことです。レシピにこのような巧妙極まりない罠が仕掛けられているとは思いもしませんでした。料理なんてするんじゃなかったとプロジェクト凍結を宣言、余ったものは後でヨーグルトにも投げ込んで始末しようと家を出ました。

その後、妹と親が見るに見かねて未知の手段をもって仕上げてくれたため食べてはみましたが、味は悪くはありませんでした。おそらく素材のせいでしょう。餅'sキッチンは無期限凍結です。

シンエヴァを観に行きました。Qまでだとテレビ版の方が好きでしたが、これがどうなるのかと楽しみでした。すでにSNSでは公式をはじめネタバレが解禁されていますが、深いことを語れる気もしませんしここではなるべくしない方向で書きたいと思います。まだ観てない人も安心ですね。なるべく早く観に行くことを勧めますが。

やっぱり戦闘シーンの構図としてはネルフvsヴィレがメインになるわけですけど、冒頭に出てきたやつらをはじめどうもネルフ兵器の方が好きなんですよね。パリ戦なんかは、ぐるんぐるんする8号機もよかったんですが、最後の方は4444Cがんばえーってなってました。行儀よく行進する44Bもぶるぶるする4444Cも不気味でかわいらしいですね。碇サクラのミームは好きですよ。ちなみに最も好きなキャラは冬月先生です。

以前紹介したボーダレスに再び行ってきました。人を検知して光るランプに私が無視されたやつです。

今回は同行者もいたのですが、以前私が気に入った場所を案内したら喜んでもらえたようでした。「どうして1度来たきりのところをこう正確に案内できるんだ」と不思議がられましたが、どうしてなんでしょうか。私はどちらかというとすぐ迷う方なのですが。ひとりでほっつき歩いてたのがよかったのかもしれません。ひとりだと迷えば詰みですからね。

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今回は例の忌々しいランプもちゃんと光ってくれました。というか、そもそもひとりで放り込まれることはありませんでした。ハイパースペースみたいな部屋や暗がりにガラス板が立ち並ぶ部屋、奇妙な行列が壁や天井をふわふわする部屋には時間がなくて行けませんでしたが、前回は(ひとりで回ってたので)行けなかった作品を鑑賞できたのはよかったように思います。茶が飲めるところは高そうだと敬遠していたものの、いざ行ってみれば案外いいところです。

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そういえば、ここの近くにはpinkberryというフローズンヨーグルトの店があるのですが、都心にはほとんどないのが残念です。他ではUSJの近くにあったくらいしか知りません。近くに寄ることがあればいかがでしょうか。本筋から外れた感想ですが、マシュマロが固くて結構好きです。カラースプレーは言うまでもなく大好きです。

トムに薦められたアルからの薦め*4で、『ひとを愛することができない マイナスのナルシスの告白』なる本を読みました。お返しにアルには土屋賢二の本を貸しましたが、かなり気に入ってくれたようで何よりです。今になって「赤子泣いても本貸すな」や「犬も歩けば本貸すな」という格言がツチヤ本に出てきたことを思い出しました。

筆者は、自身のことを自己愛のみしか持ち合わせず人を愛することができない人間であるとしていて、その家庭環境やら遍歴やらを通して愛について語ります。これを読んだトムはアルに薦め、また別の者にも薦め、結果としてアルとその別の友人はそれぞれブログに感想文を上げるまでには得るものがあったようです。アルから私に広まったように、私のいるコミュニティにおいて現在進行形でこの「感染」は進んでいるようですが、当人のトムは感想文を書くつもりはないとのこと。

結論から書くと、私はこの者たち程得るものはありませんでした。薦めてくれたアルには申し訳ないことこの上ないのですが。あえて感想を絞り出すとすれば「まだ早かった」あたりでしょう。

上記の3人には少なからず(貶す意図はないのでお許しを)恋愛経験があると推察されています。トムに関しては事情が違う疑いがありますが、それはそれ。いずれにせよ、己の経験を基に読むことができたのでしょう。しかし、私は恋愛においてはひよっこというかもはや卵です。

この本に登場するのは愛をまったく知らない父親、夫に望むべくもない愛を求め続け、その飢えの中で死んでいった母親、その家庭で育ち、次第に父親に近づいていることを感じる筆者といった感じです。他者への愛の不在を常に意識し、思考のどこかには常に愛のことがありそうな筆者によって綴られる文章は、この卵みたいな未熟者には早すぎたのです。読んでる間、高難易度マルチにうっかり来ちゃったような居心地の悪さを感じていたようにも思います。

私の思考はこのあたりでニュークリアイジェクト*5の秒読みに入っていますが、考えたことの断片みたいなものをせめていくつか書き残しておきます。どれもわからないことがわかったくらいしか得るものがありませんでしたが。

・愛を求め続けた母親について、アルが「愛されないことよりも愛し合う夫婦という世間に漂う概念的なもののありかたに近づけないことがつらかったのでは」みたいなことを書いていました。真に愛する者と愛される者しか存在しない関係なんてものが存在するのか、そんなことも不明です。こんなざまで「普通の蜃気楼」をいつまでも追っかけて果ては砂漠に骨を埋めるような人生を回避できるのでしょうか。

・先程から卵だの青二才だの言ってますが、正しくは「愛の哲学」を持たないということなのかもしれません。アルがこの本においてしっくりこないところのひとつは、なんでもかんでも「愛」に押し込めていた点のようでした。「普通の愛」という蜃気楼を振り払うためには、自身の中に愛の哲学とか美学とかそんなものを抱えていなくてはならないと思うのです。きっとそれは人生経験とか深い思索の末にちょっとずつ形成されるものであり、そんなものも持たずに愛を求めれば、自分を含めあらゆるものに振り回されてズタボロになることは必至であると言えましょう。

・感想文を書いたふたりは、メンヘラについて述べています。「自分は好きになったものにとことん尽くし、一方で相手からは大事にされている実感を求める」ともありました。渡すもの(それは感情だったり時間だったりもしくは他の何かだったりするのでしょう)が多くなって、それに伴い相手からのフィードバックも多くあって欲しいと思うのがメンヘラなのかなと仮想しました。

そのような人種はきっと自身の中に相手が占める領域が多めであって、それゆえに渡すものを人より多く捻出できるのです。相手一方、相手側もそれに応じることができればいいのですが、だいたいの人は自分以外の誰も立ち入ることはないセントラルドグマやマザーベースみたいなものがあるので、応じられるまでのものを捻出できないこともあるのでしょう。メンヘラが相手に秘密のようなものを持たれることを嫌うのは、①その存在がゆえにフィードバックが少なくなっている、②そもそも自分が立ち入れない場所や自分が知ることのできない情報があるのが我慢ならないゆえなのかもしれません。

・本の終盤では筆者がいろんな女からの愛をほしいままにしてどんどん捨てていた経験が書かれていました。乱暴な言い方をするならば、その女たちはいわゆる「勘違い」なのかもしれません。相手からきちんとフィードバックが貰えると過信して何かを渡す(というよりつぎ込む)のが「勘違い」なのかなーとか思いました。フィードバックで言うのならメンヘラの場合と構図は同じですが、こちらの場合は原因があるとすればフィードバックを返さない側にあるのでしょう。メンヘラが10投げて10(ないしはそれ以上)返ってきて欲しいと思うとすれば、「勘違い」は5投げて5返ってきてくれればなと思っていたら1か2くらい(悪くすれば0)しか返ってこない、それゆえ躍起になってそれ以上つぎ込んでしまうといったところでしょうか。

知り合いにはその「勘違い」を誘発しがちな者、つまり受け取ったものに対し返すものが少なくなりがちな者がいます。これが本人の意思によるものなのかどうかまでは不明ですが、この状態を認識はしているようです。現在、私はその者に惹かれた者やそのエピソードを物語として楽しむことができますが、そのようにエンターテイメントを提供する側にならないとは限らないのです。私は人の好意に対し疑り深くあるつもりですが、もしそれが反転すればとても深刻な「勘違い」をする気がしてならないのです。私は「勘違い」になるのはまっぴらごめんですが、そう思ってはいてもいつそうなるかわかったものではありませんし、必要以上に疑り深くなって孤立するのも嬉しくない結末です。

⋯⋯素人が偉そうに仮定に次ぐ仮定を、それも自身の心配ばかり書いてすみませんでした。不快になったらごめんなさい。「恋愛エアプが何か言ってるよ」くらいに思って下さい。どうせ、以上は机上の空論でしかありませんから。

後日、後述する飲みながらの会話についてアルに話した時、「おまえは彼女が欲しいとは思わないのか」と問われました。ちっとも答えになっていませんが、「わからない」というのが私の答えです。交際経験がないものですから、彼女がいるとどうなるのかが皆目見当もつかないのです。

今の生活に不満な点は数えきれない程ありますが、今のままである程度うまくは行っています。そこにある種の異物が入り込んだ時にどうなるのか、もしかして前の生活の方がよかったと後で思いやしないか、もしかして邪魔に思ってしまうのではないかというのが不安です。

また、「彼女持ち」というステータスが欲しいだけではないのかという疑いも残ります。真に関係を深めたいと思っているのか、それとも言ってしまえば「誰でもいい」のかを判断する術は、現時点ではありません。「私のことを好きな人が好き」という節がある気もする私ですが、万が一好意を向けられることがあったとしてもそれをきちんと認識し信じられるかどうか(そしてその真偽を看破できるか)も怪しいところです。

それを聞いたアルは、「確かに交際相手を必要としなさそうな部分はある」と納得した上で、「でも生活面では誰か支えてくれる人が必要なのでは?」と言いました。まったくもってその通りです。私にひとりで生きていく能力が著しく欠如していることを見抜いていたのです。 また恋愛やら交際がわからなくなりました。やはりまだあの本を読むには早かったようです。

 

 

<帰還報告デブリーフィング>

地方に住む友人が新居に引っ越したとの報を受け、私含む友人一同は襲撃計画を立てました。かなり長い間関東圏から出ていないどころかひとりでの長距離移動は初めてでした。私はアルバイトがあったので、皆からは少し遅れての到着です。前日、申し込み期限の10分前くらいによくわからないままバスを予約し、翌日は半信半疑のままバス停へ向かい、本当にこれでいいのか首を傾げつつ乗車しました。バス停の場所も迷いました。

車内は両窓際と車体中央に椅子が3列並んでいる構成で、窓際の席を予約していました。予約時は知りませんでしたが、各席はカーテンで隔絶させることができるようになっています。膨れたトートバッグとリュックサックを抱えて席に着き、下の方に荷物を押し込みます。発見した足置きの下にちょうど入りました。カーテンを閉めてバスのネットワークに接続し、すっかり忘れていた各種ログインを済ませている内にバスは発進していきました。もう後戻りはできません。

車内後方にはトイレまで備えてありましたが、結局利用することはありませんでした。サービスエリアすら必要なかったかもしれません。焦って予約したとはいえ、もうちょっとグレードを落とし値段を落としても大丈夫だったのではないかという疑念が芽生えました。

周囲がすっかり暗くなる頃、目的地に到着します。乗り過ごすこともなく無事に降り立ち、念のため先行組に買い物の有無を確認すると竹串の要請を受けました。とりあえず最寄りのコンビニいくつかを回ってみましたが、どこにも竹串はありません。値札もないことから、ただ売り切れているということでもなさそうです。私の貧弱な想像力ではスーパーや百均しかもう思いつきませんが、検索してみると周囲には見つからないか見つかっても既に閉店時刻を迎えていることが判明します。

どうしようもないのでそのまま新居に向かいます。地図を頼りに辿り着くと、窓から友人一同が料理に励んでいるのが見えました。誰か気がついてくれないかなーと窓から見える位置に立ち尽くして凝視するマイケル・マイヤーズごっこをしていましたが、5分くらいして誰も気がついてくれなかったので諦めておとなしくドアを叩きました。

部屋に入るとちょうどタイミングが悪かったようで、竹串以外にも追加の買い出し需要が発生したところでした。手っ取り早くなにかしら貢献した気分になるべく、買い出し部隊にくっついて再び外出しました。見つかったものは買い、見つからなかったものは諦めていよいよ帰宅する段になって、近くにコンビニがあることに気がつきました。そういえばグラブルのホワイトデーキャンペーンの支払い期限は明日までです。今回は2万程かかりました。この時点で手持ちと貯金がちょうど2万と少しずつだったので、手持ちで支払いを済ませました。同じ買い出し部隊の面々からは「正気か?」「その金でスキーに行け」「それより早く借金を返せ」と理解を得られませんでしたが、払ったものはどうしようもありません。私の勝ちです。

私より1日先にこちらへ来ていたはずのふたりが自信たっぷりに違う道へ進んでいくということもありつつなんとか帰った頃には夕食がだいたい完成しており、ありがたく粘つく芋やたこ焼きらしきもの、部屋の惨状には似つかわしくない魚の刺身を頂きました。刺身はその場で捌かれたものらしく、調理班の技術には感服するばかりです。

夕食も終わって寝る段になると、寝具や場所に難があることが判明しました。7人もいるのだから当然です。翌日の運転手組へ優先的に良質な寝床が割り振られ、一方重要人物ではない私は余った布団を1枚拝借して包まりました。枕など足りない部分もありましたが、そこは去年の暮れにアルはじめ一同から貰ったコートが補ってくれました。

翌日、7人を詰め込んだ車で湖へと向かいます。この時の車はレンタカーだったのですが、後部座席がスライドドア式だったのでピークォドに乗るヴェノムごっこをひとりでしてました。スライドドアを閉じるのって楽しいですね。ミニガンの代わりがなにかあればなおよかったのですが。理解者がいれば、「カズ バックアップを頼むぞ」ごっこもできたかもしれません。

湖に着くと、事務所?でインストラクターのような人から説明を受けました。ここのカウンターに『ローン・レンジャー』のレゴが飾ってあったのを覚えています。実際の釣り場は湖に浮かぶドーム船なるもので、かまぼこ型の屋根がついている、穴の開いた大きな板とでも形容すべきものです。ボートでそこまで移動し、ドーム船内の床に開いた穴の内ひとつの前に各々が座りました。

小さな釣り竿の先にこれまた小さな仕掛けをくっつけます。仕掛けは両端にちっこいカラビナのような金具がついた糸であり、その途中からは5か所から糸がわかれており、その先にやっと針がついています。その仕掛けを装着すると、やっと釣り竿が使える状態になります。銃で例えるのなら組み立てや整備が終わったあたりでしょうか。銃のことは知りませんが。

ちなみに私はこの仕掛けを開封して袋から引き出す段階で針をひとつロストしています。引っ張る方向が悪かったのか、枝分かれの部分で糸が切れてしまったのです。4つでも問題はないそうですが、このスタートのせいで暗雲が立ち込めます。この時点で536回目となるアウトドア適正への懸念が沸き上がりました。手巻き寿司の作成に失敗するイラストが脳裏をよぎります。

銃でいうところの弾丸、つまり餌が曲者でした。伸縮運動で移動するタイプの小さな虫が餌なのですが、生きているものを渡されます。我々はそれをつかんで(というよりはつまんで)その頭だかしっぽだかともかく端っこを小さな針の先に刺さなくてはなりません。フックに生存者を吊るようにはうまく行きません。それが成功すると、刺されて固定されたところを起点に虫がぐるんぐるんと動きます。

次は、その動き回る虫を半分で切断するのです。裁縫で最後に余った糸を切り落とすように、糸切狭で両断するのです。これも成功すればすっぱりと切れますが、失敗すると虫の体内からクリーム状のものが溢れ出てきます。もしくは、クリーム状のものが出てきた上に薄皮1枚で切り離せなかったりします。いずれにせよ、さっきまでぐるんぐるんしてた虫が物言わぬ残骸と化す訳です。そして、分かたれたふたつの内針に通されていない方は湖へ捨てることとなります。

これを4つ(本来は5つ)の針すべてで行うことでやっと装填完了です。私はこの段階でかなり手間取り、すでに満身創痍です。気を取り直して竿を水面に向け、仕掛けを投入します。着底してから少しだけ巻き上げて(こうすることでちょうど目当てのかわさぎがいる深度になるのだそうです)、後はひたすら"待ち"の姿勢です。くいくいと上下に揺らしたりはしますけど。

隣の経験者がひょいひょい釣り上げる一方で私にはあたりらしきものも来ず、眠気が訪れたあたりでやっとあたりが来ました。急いで巻き上げてみると、1尾だか1匹が食いついています。丁重に外して湖の水を張ったバケツに放り込み、餌の再装填に戻ります。

その後は、経験者のペースには敵わないもののぽつぽつと釣れ、1度などは2尾が食いついていました。後半になるとだんだん装填にも慣れてきて、生きている虫を両断するという感覚が薄れ始めたのには少しぞっとしました。それでも不器用は治らないもので、浅く刺していたために切った拍子で針から外れてしまうこともあり、その場合は特に意味もなく生きていた虫をまっぷたつにして湖に捨てたことになる訳ですから、尚更くるものがあります。

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あっという間に釣りは終わりました。これほど集中して勉強したことは浪人中でさえ1度たりともなかったと思います。おかへと戻ると、調理の準備がすでに整っていました。これからこのかわさぎたちを天ぷらにするのです。衣をつけたかわさぎを熱された油に投入すると数秒動き、というか泳ぎました。放り込まれた時にはまだ生きていたのです。できた天ぷらはやわらかくておいしいもので、塩をつけると尚更です。インストラクターは湖のよさを力説していました。

帰りには、行きに見かけたスーパー銭湯的な入浴施設へと寄っていきました。露天風呂に入るのも、サウナに入るのもずいぶん久しぶりのことです。サウナ横の水風呂に浸かっていると、同行者のひとりから異常なものを見るような眼で見られました。他の者も平然と浸かっていましたから、少数派はどちらかといえばおまえですよ。

実は、車を停める際に楽しそうな滑り台の存在を認識していました。風呂から上がって同行者を募りましたが誰も乗ってこず、ひとりで滑りに行きました。ところがその滑り台はなぜか閉鎖されており、荒れた階段部分を昇り降りするだけの結果に終わります。近くにあったカエルの水飲み場は異様な雰囲気を放っていました。

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その夜は、家主の勤め先の同系列だという居酒屋に行きました。蜂の子、山賊焼き、馬刺し、日本酒、熊肉のジンギスカンなど長野のものを堪能しました。信州のものだったかもしれません。酒もおいしく飲めましたが、日本酒を飲むにはちょっとした適正が必要なのだそうです。あってよかったのでしょう。締めとして卵かけご飯を注文したところ、普段慣れ親しんでいるものとは違う半熟卵?が出てきました。混ぜてご飯にかけたところ、白にオレンジの斑のようになっていてオレンジ入りの牛乳寒天か杏仁豆腐みたいでした。

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翌朝、私含む有志が善光寺へと向かいます。境内を見て回った後、参道にある店で食べ歩きを敢行しているとスタバを発見しました。ちょうどこの日が1周年だったらしく、店内を紹介するストーリーなるものを注文時につけてくれました。昔の物件から継承した梁と石灯篭、和紙で作られたちぎり絵的なもの、そして掘りごたつといった具合に独特の内装が楽しめます。Macを広げる者もおらず、東京とは大違いです。

スタバを退店した頃、雨が降り出しました。バス停に急ぐ我々でしたが、道中にあった「酒造見学・試飲もできます」の看板に引かれて近くにあった酒蔵へと吸い込まれていきました。10000円以上するようなものまで試飲した挙句、私は冷やさなくてもすむものとして*6ゆず風味の甘酒を買いました。なかなかおいしかったですよ。

夕方くらいになって、私と家主、あと翌日に帰る者ひとりを除く他の面々はコインランドリーへと出かけていきました。翌日に帰る者は今日の調理を買って出ており、食材調達をついでに頼んでいました。

家主のレジェンズを観戦しながら待っていましたが、なかなか彼らは帰ってきません。コインランドリーは初見の場所でしょうが、それと洗濯の待ち時間を加味しても長いように思います。彼らのTwitterを確認すると、驚くべきことにファミレスの写真がアップされています。料理人が調理を待機している間、彼らは一足先に夕食にありついていたのです。

さらに、しばらくすると新たなる写真がアップされました。さっそく確認すると、あろうことかいわゆるチー牛です。ファミレスの後にチー牛です。これを重く見た家主は施錠を指示し、今あるだけの食材での調理を敢行しました。おいしかったです。

その夜、私はふたりと共に夜遅くまで飲んでいました。気がつくと我々だけだったのですが、ふたりともたびたび「妹に早く金を返せ」「履修登録は早めに済ませろ」といった具合に私を正論で殴るような連中です。私がうっかり醜態を晒せばまず証拠を残そうと考えるでしょう。十分に注意しなくてはなりません。

いつの間にか話は恋愛に関することへと移っており、ふたりは愛とはなんぞやと悩んでいる様子でした。ふたりとも十分に女との交流があるそうですから、彼らにとっては現実的な問題です。結局、結論が出るより前にアルコールが議論を終わらせましたが。それに引き換え、私はどうしようもなくひとり、この議論も机上の空論です。拗ねてホワイトデーボイスを聴きにグラブルへ帰りました。

これもまたきっかけが思い出せませんが、ひとりがヴァイオレットエヴァーガーデンについて語り始めました。どうやら、劇場版であるキャラがしっかりと報われたことで感涙にむせび泣いている様子です。本当に泣き出すとは思いませんでした。これまで酔った者の現象として見たことがあるのは①ふらつく、②寝落ちする、③笑う、④からみが面倒になる、といったあたりですから、泣き始める者は初めて見たのでした。「感情の振れ幅が激しくなる」という点では笑うと泣く(あと怒る)は同じ現象だと言えるかもしれません。

かなり酔いが進んでいたようで、我々にも履修を勧めてきた際には主役のCV(石川由衣さん)をミカサ役だと我々に紹介してきました。悪いとは言いませんが、もうちょっといいチョイスがあったはずです。もうひとりに関してはオートマタを履修済みで2Bがそれなりに好きでしょうし、私に至っては推しがロザミアだと公言しています。知らなかった可能性もあるでしょうけど。

少しして彼が睡魔の前に倒れると、我々はふたりぼっちになりました。ウィスキーと牛乳のカクテルは「カウボーイ」ということを教えてもらい、それを飲んで私が「名前とは裏腹に穏やかな味だ」と感想を述べたこと、シンエヴァの感想を話したことは覚えています。ストロングゼロを飲んだ日のように少しぐらんぐらんする気がしたことも覚えています。

気がつくと朝で、私はトイレで吐瀉物に塗れていました。その割には穏やかな目覚めです(最初にトイレのドアを開いた者にとっては、穏やかとかけ離れた朝だったことでしょう)。私を揺り起こした者に促されるまま風呂場へと向かい、シャワーを浴びつつ吐瀉物塗れの服を脱ぎました。温水でだんだん認識システムが再起動し始めます。私が起きた時点では、既に皆の協力によってほとんど鎮圧済みだったようです。皆の優しさが身に沁みます。この朝に帰る者までが協力してくれていました。

この吐瀉物と一緒に人権を他人の新居のトイレにぶちまけた日は夕方まで寝込んでいました。頭痛が残っていたのです。不思議なのは、トイレに行った時点から朝揺り起こされるまで記憶がすっかり飛んでいたことです。吐き気によってトイレへと向かったのではないということは覚えています。また、起きた時点では吐いた後特有の不快感は一切なく、もし私を起こすことなく誰かが吐瀉物の痕跡を完全に片付けてくれていたとしたら、吐いたことを知ることもなかっただろうと思えるくらいです。最後まで一緒に飲んでいた者も、「直前まで平気そうにしていた」と言っています。

たびたび登場するトムはかなりの酒豪で、この者が持つエピソードのひとつに「風呂場で吐いていた」というものがあります。私は飲めない内からこの者と知り合いになる栄光に浴していましたが、その頃から酒に関して「こうはなるまい」と思っていました。それがこのざまです。いえ、自宅でかつ掃除が容易な風呂場で吐いた分だけトムの方がましかもしれません。

ところで、命の洗濯の場である風呂で吐いた事実が示唆するように、トムはかなりの自由人というか、強い生命エネルギーに満ち溢れています。きっと将来は大人物でしょう。他に酒で吐いた者をひとり知っていますが、その者は路上で吐いていました。この事実が暗示するように、この者には野生的というか本能で動いている節があります。一方、私は死期を悟った猫のようにひっそりと孤独に吐いていました。以上の例と照らし合わせれば、私は慎ましく謙虚な人物であると言えるのではないでしょうか。

その夜、すっかり回復した私は服の始末を考えていました。前日にコインランドリーへ行った者によれば、コンビニの隣にコインランドリーがあったとのこと。彼らがそれに気がついたのは別のもっと遠い店からの帰り道だったそうです。うっかり通信制限を踏んだ私にとって、先人の知恵は貴重です。吐瀉物に塗れた服を担いでコンビニへ向かいました。

到着してみると、きちんと店の灯りは点いています。ドラム式の扉が立ち並ぶ壁の前には誰もいません。ところが、喜び勇んで近づいたところ、これは洗濯機ではなく乾燥機であることが判明しました。確かに「洗濯機」の表示はありませんが、「乾燥機」の表示もありません。罠に嵌められたのです。途方に暮れつつ地図を表示させ、だいたいの見当をつけて今度こそまともなコインランドリーへと歩き始めました。

夜道を歩き、とうとうコインランドリーに到着します。ここには乾燥機もありましたが、きちんと探し求めていた洗濯機も配置されています。とりあえず近くにあったハッチを開けて洗濯物を放り込みました。ところが、どうやら今放り込んだのはかなりの分量を選択できる機種だったようで、確か700円でした。その横にある機種はそれより少ない量を想定しているようで、値段も500円くらいです。

危ないところでした。慌てて後先考えずに行動し、結果損するのがいつもの私です。私の洗濯物はさして量もありませんでしたから、過剰なサイズを選択しても余分に金を取られるだけです。ただでさえスキー場で金を無駄にしているのに、これ以上金をドブに捨てるのは到底容認できません。洗濯物を移して500円を投入し、洗濯開始を指示しました。

30分だか45分だかの後、洗濯が完了します。取り出してみれば、見た感じきれいになっているようです。普通は乾燥機に移すのでしょうが、その金が惜しかったのでやめました。私はコインランドリーを普段利用しないどころかそもそも使うのが初めてです。

湿ってはいるもののそのまま担いでも問題はなさそうだということを確認し、さぁ帰ろうと出口に向かった時、ドラム式ではない洗濯機が目に入りました。そして、その洗濯機は私が使ったもののさらにライト版だったことが判明しました。もちろん、このライト版の容量でも十分でした。

その値段は300円だったので、またもや200円無駄にしたことになります。ひとつ問題が片付いたものの、行きよりも暗い気分で帰ったのでした。

帰京予定日の朝、私はすっと目を覚ましました。予定がある時は①何かの手助けなしに目が覚める②起きないの両極端になりがちです。既にひとり起きている者がおり、時刻には少しだけ余裕がある程度です。

家主(スキー行き発案者でもあります)をはじめ私とその者以外が眠りこける中、私以外では唯一起きているモーニングコール(この者はしばしばモーニングコールを押し付けられるか買って出ることがあるためこう呼称します)氏が動きました。信じられないことに、布団を剥いだりカーテンを開けたり枕を奪ったりと非人間的な所業の数々を躊躇なく次々と実行に移したのです。奪われた寝具をまだ寝てる者の元に投げ返したり電気を再び消したりと私も抵抗を試みましたが、結局はモーニングコール氏の勝ちでした。「他人の安眠を妨害しようだなんておこがましいと思わないのか」と諭しましたが、聞く耳を持ちませんでした。

バスに乗り(間に合ってしまいました)、昼前には山へ到着しました。他の者は何かしらスキー用具を自前で持っており、手ぶらなのは私だけです。スキー板だけは友人が貸してくれましたが、レンタル店で靴のサイズを測った結果、そのスキー板にとって大きすぎることが判明し、板も借りるはめになりました。板、靴、防寒具(上下)、帽子、グローブ、ゴーグルとフルセットです。これが麻雀なら上がりを決めていたことでしょう。

手続きを済ませて昼食に向かった頃気がついたのですが、ここのレンタル料金は半日と1日、あと2日といった具合で分かれていました。半日の内午後の部は12時スタートであり、レンタルを済ませたのは11時半を回った後でした。どうせ昼食を食べれば12時は過ぎます。それを知っておけというのは無理な話ですからまだいいのですが、12時まで30分もない頃に1日で借りる者が現れたなら、少しだけ待機して半日のコースにした方が得だと指摘するべきではないのですか?自棄になってラーメンを食べてる間に料金表を確認したところ、結果として4000だか5000円程損していたことが判明しました。久しぶりのスキーは最悪のスタートを切ります。前回行ったのは10年以上前のことです。

リフト券こそは半日のものを買い、最初はスキーを選んだ者のひとりに「見捨てる気か」と泣きついて簡単なところに同行させました。リフトの乗降も問題なくでき、小さな坂(より正しくは丘)も転ぶことなく滑って降りてくることができました。私はこのささやかな成功に気をよくしました。この調子なら、ウォーカーギアやREX形態のメタルギアよろしくゲレンデを自由自在に滑走し、そのスピード感に酔いしれることができるのではないかと叶わない夢をみたのです。そして、愚かにもこの同行者の甘言に乗せられてより高い坂へのリフトに乗ってしまったのです。

いざ降り立った坂の傾斜や長さを目の当たりにすると、さっき滑った丘が欠陥住宅の床の傾き程度のものだったことが判明しました。同行者たちは既に視界から消えています。このままだと救助隊を呼ぶしかなくなるため、滑り始めました。

最初はなんとかなりそうな気がしていましたが、まもなく誤解だったことが判明します。みるみるうちに加速し、制御不能なのです。減速すべく蛇行軌道への移行を試みましたが、他の者がしているようにうまく曲がれません。片足を前に出して横向きの推進力を得ようとしても、本体が曲がれないのです。さらに角度を工夫したところようやく曲がれましたが、今度は反転がうまくいきません。そのまま端の方へ滑っていき、そこで転びました。再び滑り出すべく板を付け直し始めましたが、誰かと衝突するのではないかと不安で仕方がありません。銃弾や砲弾の飛び交う戦場にいる気分です。

坂を滑り降りた時点では合計で2回雪ペロするはめになっていました。ゆきと言えば[学]不動行光はいつ実装なのかなぁと思いつつ待っていると、既に2周目を滑り降りてきた者たちに呼ばれました。どうやら、他のエリアに移動するようです。そのまま平地を歩いて移動しようとして諦め、おとなしくスキー板を外して歩くことでようやく追い付きました。エリア移動にもリフトを使ったのですが、もたついたせいかゲートのバー*7と絡まってしまいました。ちょうど股のところで棒がロックされたのです。再度パスを認識させようとしてもうまくいかず、立ち往生した挙句に結局は係員が解除してくれました。リフトには乗れましたが、このことでリフトへの自信も木端微塵に砕け散りました。

いざ着いた新エリアはさっき2回雪ペロしてなんとか滑り終えた坂よりもさらに長く傾斜もあるように見える坂がそびえ立っています。早くもさっきのエリアに帰り「ちびっこスノーランド」みたいなところを探してプラスチックのソリにでも乗っていようと思いましたが、 誰もいないところに放り出されるのは心細いのでこのエリアのリフトに向かいました。リフトの移動距離も先程より長く、地面(雪面)が遥か下に見えます。

ずっとずっと昔にYMCA*8のスキープログラムに参加した際、隣に座っていたはずの班員がふと目を離した隙に消えていたことを思い出します。音もなく落ちていたのです。リフトから落ちて負傷者が約1名増えるおそれが現実味を帯びてきました。

頂上ではコースが3つにわかれていました。初級、中級、上級です。私はおとなしく初級へと向かいましたが、同じように初心者でスノーボードを選択した者が制御不能に陥り上級コースに逸れていく姿には涙を誘われました。

先程の坂はただの斜面(※強い)という感じでしたが、こちらは山道という感じです。急な坂もありますが、長いけど緩やかな道が大半を占めていました。それでもさすがは私、1回か2回程転んでいるうちにこちらについてきてくれたはずの同行者たちもいつの間にやら姿を消していました。

懐かしきYMCAのゼッケンを着た子供たちもいたのですが、その内のひとりが雪ペロして板を付け直している私の横を「夫ですかぁぁぁぁぁぁぁぁ」と通り過ぎていったのが唯一の明るい思い出です。彼は止まることなく通り過ぎていましたが、その背中に「大丈夫じゃないです」って呼びかけてたらどうしてたんでしょうか。

麓にも同行者たちはおらず、LINEを確認すると彼らの現在地の写真が届いていました。

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こんなんで場所を識別できると本気で思ってたんでしょうか。

頂上で合流するよう取り決めてひとりでリフトに乗ると、とうとう恐れていた瞬間が訪れました。リフトががくんと停止したのです。風は吹きすさび、そんな中でセーフティーバーを抑えつつストックも保持しなければならないので手一杯です。まもなく動き始めましたが、落ちそうだと思ったのはこれで184回目です。

それ以降は同行者たちにもある程度追い付けるようになり、誰かとは大抵一緒に回れるようになりました。すると初級コースを雪ペロなしで滑り切れるようになり、再びいい気になって中級コースへと舵を切ってしまったのです。やめておけばよかったのにと強く思います。

中級コースも山道型ではあるものの、途中にある坂の長さや勾配はやはり初級コースと一味違います。坂を休みつつ降りようとしたところ、止まれずに一気に降りるはめになったりもしましたが、奇跡的にも1ペロでクリアすることができました。そうして今度こそ0ペロでクリアできるだろうと安直な考えで軽率にも再度中級コースへと進んでしまったのです。

先程転んだところもクリアし、いよいよ終盤に差し掛かった時のことです。大きな坂でやはり加速に耐え切れず転びました。この頃には慣れたもの、再度板を履いて滑り出しましたが、坂を降りたところにある瘤のエリアが曲者でした。

ここでまた雪を舐めたのですが、瘤の存在により初級者には勾配の向きが判別不可能になっていました。それゆえ、比較的平らなところでとか勾配に対して平行にとか安定して板を履く試みがことどとく失敗に終わります。履けてももう片方が履けなかったり、両方履けてもすぐに転んだりと惨めな姿です。上からの声に空を見上げると、同行者たちが呼びかけてきています。「にどとくるまい」と返して再び試行錯誤に戻り、手袋の中がすっかり濡れた頃になってようやく安全なエリアまで移動できました。

リフト乗り場で待っていると、ついさっきリフトに揺られていたはずの連中がもう滑り降りてきます。時間的にもあと2回くらいの滑走になるでしょう。山頂に辿り着き、今度は正しく初級コースを選択しました。ところで、初級コースのコース名は「てんぐ」でした。天狗伝説*9など建前に過ぎず、初級コースでいい気になった者を指しているに違いありません。スキー場まで性格が悪いとは思いませんでした。また、この時には風も強くなっていて、またもや上級コースへと流れていったスノボ選択の初心者がいよいよ遭難者に見えて哀愁を誘いました。

最後の滑走も初級コースです。他の者は中級コースへと流れていったので、私はひとりで初級コースに突入していきました。この時間帯には風が止み、人もいなくなり、いよいよひとりぼっちでコースをつーっと滑っていました。結局上達は一切見られなかった今回のスキーでしたが、やっぱりこう穏やかにひとり山下りでもしているのが性に合います。耳に入るのは私が滑る音だけ。身の丈に合わないハイスピードを求めないでいれば、それなりにスキーも楽しめていたかもしれません。

すると、向かい側から爆音を轟かせてスノーモービルが逆走してきました。コースの端っこの方に退避するとぶつかることなくすれ違いましたが、追い抜きざまに悪臭のする排ガスをたっぷりと私に吹きかけていったのです。都会でもめったに遭遇しない凶悪さです。こうして、久しぶりのスキーは散々な結果に終わったのでした。もうゲレンデに来ることもないでしょう。誘ってくれた者たちには悪いですけど。

すぐ転ぶ要因としては、やはり加速しすぎることが真っ先に想定されます。加速しすぎる原因ですが、おそらくは減速できないからでしょう。本来は斜面を蛇行するように滑り、なるべく地面と平行にあろうとするのが正しい滑り方だと思われます。ところが、私が足に力を込めても曲がれないパターンがほとんどです。結果、ただ足を交互に前に出しながら直線に滑っているだけになるのです。多少のブレーキ効果はあるでしょうが、長く急な坂では焼け石に水です。体の向きも考えなくてはならなかったのかもしれません。

また、終始ストックの使い方がわかりませんでした。方向転換に使うとのことでしたが、直線では方向転換もなかったので後ろの地面に突き刺して雪を巻き上げる程度の使い方しかできませんでした。

その日の夜以降は人が減っていく一方だったため、ピザを頼もうという話になりました。味選びは家主に一任され(私はトロピカルを希望したのですが「軟派」として却下されました)、我々はそうして届いたピザを囲んで食べ始めました。

そびえ立つピザの塔は圧巻です。最上階から1枚ずつ食べていました。かなりの速度でピザが消えていきます。

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残る箱が半分程になった頃でしょうか。まだまだ行けそうだと次の箱に手を伸ばすと、その中から姿を現したのは見たことのないピザでした。私だけではなく、この場にいてピザを囲む誰も知らないようです。肉の欠片や緑の野菜がまぶされています。「ピーマンか?」「そうかな」と憶測が飛び交う中、私が突貫して野菜をひとつ摘まみ上げ、口に放り込みました。

してやられました。唐辛子*10です。私がただのトッピングにノックアウトされた横で他の面々もピザに手を伸ばしましたが、ピザ本体も負けず劣らず辛いことがわかっただけでした。特に肉が強烈です。

調査の結果、このピザは「スパイシー」であることが判明しました。いかにも邪悪そうな名前ですが、たかがスパイシーとは過少申告にも程があります。「エクストリームホット」あたりに改名したらどうですか?

ただちにひとりレジェンズをプレイしていた家主に対し、追及の手が伸びました。「辛いものが食べたかった」と供述する中、我々は全会一致で「レジェンズで1回敗北するごとに1切れ食べてもらう」という報復案を採択しました。そうしたら何度目かの挑戦でキレつつも本当にチャンピオンをもぎ取ってたのはすごいと思います。

スパイシーに味覚を木端微塵にされた屍の中から、ひとりが起き上がりました。この者はまもなく出発する新幹線に乗るのです。私ともうひとりが見送りについていきましたが、しばらく歩いてからどうやら時間が危ういらしいことに気がつきました。しかも、駅に着いてからさらに発券もしなくてはならないとのこと。私の発案で、見送り組がその者の重い荷物を持っている間に走って先に行き、発券を済ませてもらうという策が採用されました。

無事発券は終わり、発車時刻2-3分前にその者は改札の奥へと消えていきました。案外どうにかなるものです。

翌朝、この見送りに一緒に行った者から「新幹線で帰ろう」と誘いを受けました。財布への信頼に一抹の陰りがある私としては、無駄な出費を避けたいところでした(すでにこの旅でかなりの額を無駄にしていますから尚更です)が、とりあえずみどりの窓口へ向かいました。学割ならどうにかなるかもしれません。

ところが、学割にはある証明書が必要で、それは大学でないと発行していないのです。結局、昼前くらいにその者は新幹線で帰っていきました。私は諦めて行きと同じくバスを予約したのですが、①バスにも学割が存在する、②こちらは書類不要ということが判明しました。行きの便で知らない内に損をしていたのです。さらに、帰りの便でもすでに売り切れており、知った後でも損をしました。

カタンで時間を潰し(3人でプレイしたのですが終盤は2vs1の構図になって負けました)、頃合いを見計らってバス停に向かいます。駅のサイドを間違えるアクシデントに見舞われたものの、無事に乗車できました。このバスではいくつかの中から選んで映画が無料で観られるサービスがあったのですが、めぼしいものが『IT』しかなかった上によく考えたら家にディスクがあるのでおとなしく四象降臨を進めていました。その合間にはこのバスの誰かが私の目の前で残りひとつだった学割枠をかっさらったんだなぁと考えて密かに怒りを燃やしたり、ひとつ前の席でエヴァ新劇を観ている学生にそのとばっちりで後ろからネタバレを囁いてやろうかしらと考えたり、この旅行でドブに消えていった金に思いを馳せて落ち込んだりしてました。

外に目をやって『The Key』を流し、「シロナガス島本編EDで飛行機に乗るねね子」ごっこをしていると、いつの間にか東京に到着です。実はこのような状況下で旅行を決行したことにちょっぴり罪悪感やうしろめたさを感じていたのですが、東京で飲み明かす者どもを見てそんなものは吹き飛びました。

帰宅すると、妹に「お前のいない間にパンケーキを食べた」「お前のいない間に花見をした」と煽られました。東京の桜はいつの間にか散っていました。

 

<PS4>

原神ではいよいよロサリア実装が告知され、実はロングではないことが判明するというハプニングもあったものの、来たるべき決戦に向けて全会一致で可決された原石総動員法の施行が急がれていました。ウィンドブルーム祭もやってくるとのことで、海灯祭のいい雰囲気がどうモンドで見られるのかも楽しみでした。

ところが、ウィンドブルーム祭を前にしたある日、PS4がフリーズを起こしました。放っておいても解消する兆しはありません。再起動を試しても無駄でした。ただちに対策委員会が招集され、綿密な協議の結果クリーンインストールもやむなしとして現データベースの破棄が決定されました。

ところが、クリーンインストールすら途中でエラーを起こしてしまいます。初期化の段階は過ぎているようですから、これではデータの消し損です。この日は疲れ果てて寝ました。ただでさえ金欠なのに修理費が加わるとは、あまり歓迎できない事態です。ところが、翌日に同じ手順を試してみたところ、なぜか再インストールに成功してしまいました。壊れた理由もインストールできなかった理由もできなかったインストールが成功した理由も謎のままです。

ひとまず動きはするようなので初期設定をしましたが、この時点で嫌な予感のするフリーズが多発し、レジェンズのインストールもうまくいきません。原神はなんとかインストールできましたが、恐ろしいほどかっくかくです。ログインくらいしかまともにできません。

この後、現在に至るまでPS4の不調は続いています。複数回のクリーンインストールを経た最近の研究では①「データベースが壊れました」表示が出る前に自らセーフモードでクリーンインストールをすると少し調子がいい気がする、②転生した回によってはレジェンズが動かなかったり原神が起動できなかったりする、③クリーンインストールにも失敗することがあるといった事実が判明しています。

扉からテイワット大陸に入れてもらえないこともありましたが、比較的原神はきちんと動きがちです。フリーズもたまにありますが、重大な障害は未だ発生していません。今はまだ大丈夫ですが、mihoyoにはとっととPS版とPC/モバイル版の連携を実装してほしいところです。それができないのはまだいいとしても、これで万が一PS4版とPS5版は別物ですとかされたら、こちらには駄々をこねて泣き疲れ寝込む用意があります。その後は多分おとなしくPC/モバイル版を始めると思います。

ただし、凝光さんのモデルが破損している可能性が指摘されており、キャラ選択でうっかりカーソルを合わせるとフリーズします。北斗もおそらく同じです。注意していれば大丈夫ですから、ウィンドブルーム祭の終わりかロサリア戦まではこのまま行きたいところです。キャラ画面で凝光さんと北斗に挟まれたキャラは強化も装備変更もできなくなるというデメリットはありますけど。

一方で、レジェンズはまともに動いたことがほとんどありません。何度も転生を繰り返しましたが、未だに成功例はひとつだけ、それも再現性なしです。これまでには第Ⅰ期と第Ⅱ期の存在が確認されています。

第Ⅰ期は起動すらままならない状態で、まともなプレイは困難です。症状としては以下のものが確認されています。

 

・タイトル画面からロビー画面に辿り着けない

・ヒューズ参戦ムービーが飛び飛びに再生される

・ただし音と字幕は正常に動作する

・選択していたものを除くレジェンドのモデルが読み込まれない

・ヒールドローンのジェットやレイスの腕、ワットソンのギアなどのエフェクトは読み込まれる

・クラブ画面のマーヴィンも読み込まれない

・ジョッキは読み込まれるので浮いているように映る

・マッチできない

 

 何度か再インストールを繰り返すと第Ⅱ期に移行しました。第Ⅱ期ではマッチこそできるものの、特定の兆候の後は高確率でフリーズし、その後はアプリの再起動が必要です。確認されているパターンは以下の通りです。

 

・突然音が出なくなる

・銃のテクスチャが読み込まれない

・サプライボックスはじめ各種テクスチャが荒い

・兆候なし

 

このような状況では、まともな試合など不可能です。カオスセオリーのタスクである100人ノックダウンのために、ひたすら即降りボクシングを繰り返しました。フリーズする前にひとりでも倒して着実に数を稼ごうという魂胆です。まぁ、結論から言えばイベント終了までには間に合わなかったんですけどね。

急にレジェンドが黙り込んだり、新しく飛び込んだ場所のサプライボックスががびがびだったり、拾った銃が透明だったりすると動悸が激しくなるようになりました。死が目前まで迫っているからです。このような状況でプレイし続けた結果、友人のプレイを見ていてフリーズ(少しかくつく程度の健康的なもの)が少し出るだけでどきっとするようになりました。

ただ、ある時はまともにプレイできていました。なんならチャンピオンも2回くらい取れています。それまでフリーズはなかったのです。この黄金期は突然終わりを告げましたが、これには①HDテクスチャがインストール完了したから、②アップデートが来たからの仮説ふたつが提唱されています。真偽は今もって不明ですが、とりあえずまた今日もクリーンインストールを試す予定です。

 

 

<神バハ>

なんかもういよいよこの項目自体消えかけています。

ログインするかしないかくらいまで落ちていましたが、次回育成イベントの報酬がグレアとのことで、かなり久しぶりに走ることになりそうです。以前の勘を取り戻しつつ、カード絵変更まではこぎつけられればと思います。前回だか前々回は、育成レベルこそ足りていたものの書が足りなかったためタイプ変更ができなかったという特大のミスを犯しています。今回は書の回収にも留意すべきでしょう。と思っていましたが、今回のカード絵はタイプを変えてもさして変わらなさそうだということが判明しました。決意のやり場に困っています。

去年は古き良き時代のアニメ公式サイトを模したページが登場した、神バハのエイプリルフール。今年はどうなるのか楽しみですね。どうせ申し訳程度に称号が貰える程度でしょうけど。

 

<グラブル>

アニバの到来です。しょぼいとか言ってる輩もいるようですが、神バハの7thよりよっぽど盛大ですから大丈夫ですよ。

サプチケは「基本的人権に相当するらしいクリメアを採るべきだ派」と「光を強化できるハロゼナかリミジャンヌにすべきだ派」と「未所持の中では結構好きなクリネモにしないと後悔するぞ派」の戦いが終わりません。

土をやる予定はありませんでしたが、一期一振が2本手に入ったのでちょっと考え始めています。気が早いのでしょうけど。ハロゼナはまだしも、リミジャンヌを手に入れるとロザミアの席がなくなりそうで気が進まない面はあります。おととしくらいに交換したバレンタインメドゥーサはまったく使っていませんから、おとなしく趣味に走るくらいがちょうどいいのかもしれません。

ある鯖で友人が浴衣アンスリアと浴衣ロザミアのどちらをサプチケで迎えるか悩んでいました。その鯖での有識者のひとりがアンスリアを勧めていたのですが、ロザミアに関しては「持ってるけど使ってないからよくわからない」と言及を避けていました。

使命感に駆られて「今ロザミアの話をしましたね!?」と食い気味にフォールしようとも思いましたが、自分がロザミア強化装置(別名バレンタインアグロヴァル)を持っていないことに気がついておとなしく控えました。後日、その友人にはアンスリアの方に汎用性では分があることを伝えた上で、ロザミアの長所は伝えました。その者はアグロヴァルを引いているので、私よりはうまく活躍させてあげられるであろうことも伝えましたが、その者の推しのビカラとアンスリアが組んでも楽しいことを申し添えることも欠かさなかったので、どちらを選ぶのかちょっと気になるところです。

長々と紹介してきた季節会話ですが、3月のホワイトデーでしばらくお別れです。次回は10月ですね。寂しくなります。

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とはいえ、5月だか6月になればお返しが届くはずです。それが今のところは最大の楽しみですね。今年は去年までとは趣向を変えるらしいですが、どうなることやら。

ところで、私は2020版と2019版を持っているのですが、それ以前は未所持なのです。最近のものであればたまに出回りますが、昔のものとなるとさっぱり見かけません。メルカリで売られているのを1度だけ見つけた(すでに売り切れていました)ので絵柄は知っているのですが、それだけです。たまに各所を除いてもやはり見つかりません。どこかで見かけるようなことがあれば、ぜひ教えて頂けると嬉しいです。なんならある程度までなら言い値で買うので回収してくれるとなお嬉しいです。

*1:他の仕事をしたくないがためにわざと無駄に時間をかけたことは否定しません

*2:初心者マークとも一部では呼称される

*3:「シロナガス島の悪魔」の鳴き真似

*4:「すすめ」の漢字変換って毎回わからなくなりませんか?

*5:キュュゥゥゥゥゥゥウン⋯⋯ドグォォォンンみたいなあの音が私は大好きです

*6:帰京まで冷蔵庫で冷やしておくと他の者の餌食になるおそれがあったのです

*7:ディズニーリゾートのゲートみたいなもので、横に伸びて道を塞ぐ棒を押すことで前に進める仕組みです

*8:これ何の団体なんですか?

*9:有無すら知りませんけどそういう伝承でもなければコース名にしなくないですか?

*10:辛い野菜ならとりあえず唐辛子